「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[建築物]★カトリック弘前教会(弘前市、現存)

カトリック弘前教会)

カトリック弘前教会(弘前市、現存)

 1873年(明治6年)にキリスト教禁令が解除となり、弘前にも布教が始まりました。1875年(明治8年)には、「弘前基督教会」が設立されました。カトリック(旧教)の本格的な弘前での布教は、1878年(明治11年)函館で布教していた神父が訪れ、民家を協会として使ったのが始まりなんだとか。

(弘前カトリック教会)

www.sendai.catholic.jp

 こちらの建物は、1910年(明治43年)オージェ神父の設計図を基に、明治期の弘前を代表する棟梁・堀江佐吉の弟であった横山常吉によって施工されたものです。優美な尖塔を持つロマネスク様式の木造モルタル平屋建ての聖堂です。外壁左右の柱壁、軒先の尖型装飾や、開口部のロマネスク半円アーチなどが見られます。

(すこし逆光で、暗めに写ってしまっちゃいました)

www.shoepress.com

 荘厳な祭壇は、オランダのアムステルダムにある聖トマス協会から特別に譲り受けたもので、1866年(慶応2年)に造られゴシック様式。神の救いの歴史(『新約聖書』)を表現した内部のステンドグラスも美しく、訪れる人を温かい光で迎えてくれます(岩木山が描かれているステンドグラスもあります)。弧を描いた柳梁天井がとても美しいです。椅子の下、床面が畳敷きになっているのは、正座で礼拝したころの名残なんだとか。扉の右側にある白い十字架に、津軽地方の伝統工芸「こぎん刺し」がほどこされているのも、地元に愛されている証左ですね。2008年(平成20年)弘前市の「趣のある建物」に指定されています。

(横から見ても、美しいですね)

 

あしたはきょうよりもっといい日。