「観るだけ美術部」部長のブログ

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あしたはきょうより、きっといい日。

[シルクロード]★(№041)新疆-キルギス-カザフスタン-ウズベキスタン 11日目

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(「「観るだけ美術部」部長のシルクロードキャラバン(妄想編)」の予定ルート)

 11日目は、終日サマルカンド市内観光。サマルカンドは、2001年に「サマルカンド 文化交差路」として世界遺産に認定された歴史の深い町です。

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サマルカンドは「青い都」「シルクロードの宝石」と呼ばれています)

 サマルカンドは、古来からシルクロードの要衝として栄えていましたが、13世紀にモンゴル帝国軍によって徹底的に破壊され、廃墟となりました。この地を甦らせたのは、中央アジアのもう一人の英雄、ティムールです。ティムールは14世紀に一代で強大な王国を築きあげました。ティムールは東西の芸術家や技術者、学者などを積極的にサマルカンドに招聘し、学問を奨励したことから、東西の知識や技術がこの地で融合されました。サマルカンドが「文化交差路」とされたのは、こうした背景があります。

 ティムールは世界のどこにもない美しい都市の建設を目指しました。青い色を愛したため、サマルカンドに建てられた多くのモスクやマドラサ(高等教育機関。メドレセとも呼びます)、廟などは青色タイルで彩られ、その青色は「サマルカンド・ブルー」と呼ばれています。「サマルカンド・ブルー」はモザイク装飾に見られ、中国の陶磁器の技術とペルシャの顔料が出会って誕生したものです。

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(「サマルカンド・ブルー」は、言葉もないほどの美しさ)

 ティムール朝のもとで「青の都」と呼ばれ頂点を極めたサマルカンド。その政治・経済・文化の中心であったのがレギスタン広場でした。レギスタン広場は14世紀に築かれ、シルクロード主要路の交差点として東西交易の結節点となり、交易商人が行き交い、バザールが開かれ、活気がみなぎっていたそうです。

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(レギスタン広場。3つのマドラサが広場を囲んでおり壮観です)

 広場に向かって左側にウルグベク・マドラサ(ウルグベクとは4代目の君主で、天文学者でもあったそうです)、中央はティラカリ・マドラサ、右側にシェルドル・マドラサが並んでいます。マドラサ(高等教育機関。メドレセ)は神学校でもありました。

 ウルグベク・マドラサは、ティムールの孫にあたるウルグベクが15世紀に建てたマドラサで、レギスタン広場にある3つのマドラサの中では最も古いものです。ティラカリ・マドラサは1660年に建てられています。タイルが金箔で縁取られており、遠近法を用いて平面をドーム状に見せています。

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(ティラカリ・マドラサの天井部分)

 グリ・アミール廟は、ティムール朝を築いたティムールや、その子どもたち、孫たちなどが眠る霊廟です。外観は青色と淡い青色のモザイク状に白色のテラコッタ製のタイルがアクセントになっています。外壁の可愛らしさとは打って変わって、霊廟の内部は黄金の装飾が施されています。ペルシャ語で「王の墓」の意味で、青いドーム状の建物が印象的です。インド・デリーのフマユーン廟や、アグラのタージ・マハルのようなムガル建築は、このグリ・アミール廟の影響を大きく受けているそうです。

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(ビビ・ハヌムモスク。ティムールの妻の名前が冠されています)

 ビビ・ハヌムモスクは、英雄ティムールが建設したもので、中央アジア最大の規模を誇るモスクです。ビビ・ハヌムとは、ティムールの妻の名前を冠したものだとか。

 シャーヒ・ズィンダ廟群の「シャーヒ・ズィンダ」とは「生ける王」の意味。アフラシャブの丘にあるティムールの妻や親族、部下たちなどゆかりの人々の霊廟で、20以上の霊廟が並んでいます

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 この日の夜は、ウズベキスタン最後の夜ということもあり、ウズベキスタン民族舞踊を観ながら、ウズベキスタン料理を楽しみました。ウズベキスタン民族舞踊は、優雅で女性らしい動きで魅せる「フェルガナ・スタイル」、アクティブで力強く、リズミカルな表現が多い「ブハラ・スタイル」、しなやかに手を動かして可愛らしくコミカルに踊る「ホレズム・スタイル」に分けられるそうです。衣装も、それぞれ違います。踊りに使われる曲は異国情緒に溢れ、歌あり、インストあり、店舗が変化するものがありと様ざま。ウズベキスタンの民族舞踊は男性を挑発するような振りはなく、むしろ元気さ、可愛らしさなどを表現するそうです。

 ウズベキスタン料理では、代表的なものは、やはりプロフ(中央アジア風のピラフ)ですね。あとは、シャシリク(串焼き料理。牛肉や羊肉が多い)、ナン、サモサ(オーブンで焼いたパイ)などが代表的です。ウズベキスタンの料理は、どうしても脂っこくなってしまうので、お茶と一緒に食べるのがおススメです。

あしたはきょうよりもっといい日。