「観るだけ美術部」部長のブログ

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あしたはきょうより、きっといい日。

[シルクロード]★ (№026)タクラマカン砂漠とオアシス仏教都市 10日目

 

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(「観るだけ美術部」部長のシルクロードキャラバン(妄想編)」の予定ルート)

 昨日は、カシュガル市に入り、家畜市と日曜バザールを見学しました。イスラムのエキゾチックな雰囲気が感じられて、とてもワクワクした1日でした。きょうは、ゆっくり市内に滞在して、観光していこうと思っています。

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(エイティガール寺院。新疆最大のイスラム教モスクです)

 まず初めに見学したのは、エイティガール寺院です。「エイティガール」の意味は、ペルシャ語で「祭事を行う場所」の意味。こちらのモスクは、新疆ウイグル自治区では最大のモスクだそうです。15世紀ごろ、カシュガルの統治者であったシャクルミールによって建設されました。煉瓦造りですが、壁面は黄色く塗られています。エイティガール寺院の内部は140本の柱で支えられていて、一度に6000人も収容できるそうです。

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(エイティガール寺院の内部)

 モスクの前は広場になっていて、またすぐ近くには職人街が広がっています。職人街には、アバク・ホージャ廟(香妃廟)観光のあとに寄ることにします。

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(アバク・ホージャ廟。香妃廟という別称もあります)

 アバク・ホージャは、17世紀ごろ、このあたりを支配したイスラム教指導者だそうです。もともと、1640年ごろに、アバク・ホージャが父親のために建てた陵墓を、のちに本格的に改築し、一族の陵墓としたようです。アバク・ホージャの孫娘のひとりであった「香妃」は、清朝乾隆帝に見初められ、乾隆帝後宮に入ったそうです。「香妃」の名前は、彼女の身体からはナツメの花のような、かぐわしい香りが漂っていたことから名づけられたと言われています。しかし香妃は、のちに後宮での権力争いに巻き込まれ、自害させられたそうです。彼女の死後、遺体がこの陵墓に埋葬されたとの伝説が生まれ、この陵墓が「香妃廟」とも呼ばれるようになったそうです。

 アバク・ホージャ廟は、高さ40mのドームと、4本のミナレットからなるイスラム様式の建物です。外観を彩る青緑色のタイルがとても美しいです。建物の内部には58基の墓と、ホージャ一族の資料が収められているそうです。

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カシュガル市の職人街)

 カシュガル市内には「職人街」と呼ばれる区画があります。鍛冶屋さん、帽子の仕立て屋さん、ウイグル音楽を奏でる楽器のお店、金物屋さんなどがあり、手工芸の技術の高さには驚くばかりです。小さな食堂もたくさんあって、ちょっとした食事には困らない感じです。買い物は無くても、ただぶらぶらと散策するだけでも楽しそうです。まさに「民族の十字路」を実感します。

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(職人街の楽器屋さん。ウイグル音楽に使う楽器を扱っているそうです)

 せっかくなので、職人街で軽食をとりました。画像に出ているのは、カシュガル風肉まんです。皮がパリパリなのに、中は肉汁がたっぷり。平べったいわけでもないのに、ナンのようにかまどの内側に貼り付けて焼いていました。なかなか、技術が高いなと思いました。

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(職人街の露店。カシュガル風肉まんは、美味しかったです)

カシュガル市は中国最西端の街。イスラムの雰囲気が感じられる、とても魅力的な町でした。

あしたはきょうよりもっといい日。