「観るだけ美術部」部長のブログ

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[建築物]★相馬神社本殿(札幌市豊平区)

★相馬神社本殿(札幌市豊平区)

 今回紹介するのは、天神山山頂に鎮座する相馬神社です。天神山には、うちの奥さんの通院の際に登り、三角点標石を探してきました。

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(相馬神社の参道です。正面に見えるのが第一鳥居です)

  相馬神社は、1872年(明治4年)岩手県水沢の旧藩士を主体とする65戸203人の入植者が、現在地(平岸天神山)を神社予定地として貸し付けをうけ、札幌神社の遥拝所として祭事を執行したことに始まります。1902年(明治35年)福島県相馬郡鎮守相馬太田神社の崇敬者が、御分霊を奉遷し、札幌郡豊平町5番地に仮神殿を設け奉斎しました。このとき初代社掌三橋國吉を始め、総代3名が北海道庁に神社創立を出願。1908年(明治41年)神社創立認可を賜り、翌1909年(明治42年)本殿落成遷座祭を斎行、豊平町平岸村47番地に鎮座しました。1916年(大正5年)に現在地の平岸天神山に神社を移転。1928年(昭和3年)には御本殿を改築し、本殿落成遷座祭を斎行しました。変貌していく平岸・澄川両地区の鎮守として、変わらず信仰・崇敬され、現在に至っています。

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(相馬神社の御神木。札幌市の保存樹木に指定されています)

 相馬神社の境内には、樹齢300年とされるシバグリの御神木があります。1968年(昭和43年)札幌市の保存樹木に指定されました。そのほか、境内にはクリ・ナラ・カエデ・シラカバなどたくさんの樹木があり、雰囲気はとてもよいです。また、境内には、馬頭観世音菩薩の碑や、馬魂の碑、平岸開村五拾年記念碑などがあります。
 境内にはこのほか、建立年代不明の狛犬があります。北海道独特の狛犬の造りです。阿吽の位置が反対です。精悍な中にも優しさが滲み出ている顔、体表に浮き出る獅子紋、流れるように滑らかな毛筋、バランスのとれた身体など、出来のよい狛犬です。兄弟のようによく似た狛犬は、主に大正時代に建立されているので、この頃のものかも知れません。

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(相馬神社本殿。1916年(大正5年)の建築、1928年(昭和3年)の改築)

 相馬神社本殿は、流造(ながれづくり)の社殿です。流造とは、日本の神社建築様式のひとつで本州では一般的ですが、北海道では珍しいです。左右の屋根は反り、唐破風つきの屋根が前に曲線形に長く伸びて向拝しています。

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(正面向拝に見える双竜の彫刻、木鼻に見える狛犬の彫刻が見事です)

 本殿目貫には双龍の木彫り、本殿木鼻には狛犬の木彫りが見られ、とても見事です。双龍、狛犬とも、眼玉が入っているのが珍しいと思いました。

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