(旧岩見トンネル、大岸駅側の開口部)
ここで紹介する区間は、かつて「長輪線」と呼ばれ、長万部と東室蘭(現在の輪西駅)を結ぶ路線でした。長輪線は、急勾配・急曲線が連続する難所で、現在でも10本以上のトンネルが連続する「トンネル銀座」でもあります。1928年(昭和3年)に静狩-伊達紋別が開通したのですが、すぐに倶知安廻りの「山線」に取って代わることができたのではありません。その理由は、この区間が危険と隣り合わせの区間だったからです。
室蘭本線のなかでも、最もこの区間は急勾配で知られています。10‰の勾配区間が、全体の8割を占めていました。そのため付け替え工事が始められ、1970年(昭和45年)に付け替えが完了しました。ここで取上げる「旧岩見トンネル」は、この付け替えにより、使われなくなったトンネル跡です。
この付近は、奇岩が海面に突出する断崖絶壁の区間で、工事中だけでなく、列車の運行時にも、多くの人命を失っているそうです。画像は、大岸駅側の坑口部分。坑門部分が延長され、側面に明り取りの円形アーチ型の開口部が並んでいるのが見えます。反対の礼文華側は、いまでも旧線の落石よけが残っています。
※なお、ここに掲載した画像は、ブログ運営者がみずから撮影したものです。
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