「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[汽車旅]★伏古別隧道(明治隧道・大正隧道)登別駅付近

伏古別隧道(明治隧道・大正隧道)
 室蘭本線の起源は明治時代、「北海道炭礦鉄道会社(のちに北海道炭礦汽船に改称)」という会社によって新設された「室蘭線」に由来しています。北炭は、当初より炭鉱開発と石炭輸送を担って設立されたもので、1890年(明治23年)には室蘭本線の敷設が着工されました。 室蘭本線は、付近の炭鉱から産出される石炭を良港である室蘭港まで輸送することを目的としていました。1892年(明治25年)に岩見沢-室蘭間が開通し、夕張に分岐する支線は同年11月に開通しています。以降、この室蘭本線は、昭和中期にいたるまで、石炭を満載した何十両もの貨車を引く蒸気機関車がひっきりなしに往来した産業路線でした。

 今回紹介する「伏古別隧道」は、現在の登別駅のすぐ近くにあり、開業当初に掘削された3つの隧道のうちのひとつで、延長は約600m。JRの車窓からも観ることができます。記録によれば、最初の隧道(明治隧道)は、1890年(明治23年)起工、1892年(明治25年)竣工を迎えており、1880年(明治13年)に北海道に初めての鉄道が敷設されてから、わずか10年ほどしか経っていません。
 「伏古別隧道」は、1926年(大正15年)の複線化・電化に際して、すぐ横に新トンネルが掘削されることなりました。これが「大正隧道」で、こちらも現存しています。これにより、「明治隧道」は役目を終えることになりました。
 
イメージ 1
 
 上掲画像の右端が、現在JR北海道により使用されている「伏古別トンネル」です。真ん中にある総レンガ造りの隧道が「伏古別隧道」の「明治隧道」(1892年建築)で、いちばん左側にあるレンガ造りの隧道が「伏古別隧道」の「大正隧道」(1926年建築)です。いずれも立ち入りを禁止する鉄柵がありますが、外観からは目立った損傷や崩落は無いようです。「明治隧道」は建築から120年、「大正隧道」も建築から86年が経過しているのですが、そのあいだ修復されないものとは思えない良好な状態で遺されています。
 
イメージ 2
 
 これは「明治隧道」の入口部分です。整然と積まれている煉瓦が、ほんとうに美しい。内部には行きませんでしたが、入口付近の様子だけでも素晴らしいです。
 室蘭本線は、日本で最後に蒸気機関車が走った路線です。最後の最後まで使用されたこの「伏古別隧道」には、最後の蒸気機関車の黒煙の跡も残っています。それがこうして放置されているというのは、ちょっと悲しいですね。登録文化財重要文化財級の遺構であると思うので、ぜひ再利用の道を模索してほしいですね。幸い、ここは現在の登別駅からも近く、アプローチも容易です。「炭・鉄・港 プロジェクト」などに生かせると思うのですが。
 
室蘭本線のC57-135のYouTube
 
※なお、こちらの画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影したものです。
 
※第1回取材(2012年1月)に基づいた記事です。画像は2枚とも、第1回取材時のものです。
 
★こちらのブログに、「伏古別隧道」に関する詳しい記事がありました。内部の様子も報告されています。
 
↓いつも観ていただき、ありがとうございます。きょうも1クリック、よろしくお願いします。
¤ˤۤó\֥�¼ Èþ½ѥ֥� ³¡¯²è¤Ø(ʸ»ú¤򥯥ê\å¯)
 
 
あしたはきょうよりもっといい日。