★旧三松家住宅(三松 寓 邸)(伊達市)
JR伊達紋別駅に近接する土地に、そうべつ温泉病院が移転してくることになったそうです。この情報は、北海道新聞の2021年1月30日付け胆振版に掲載されていました。その土地には石造倉庫と並んで、雰囲気のある民家があります。この民家も、病院の移転にともなって解体されると聞き、これは記録に残しておかなければと考え、今回の記事を書いています。
構造は木造、一部2階建て。伊達紋別駅にほど近く、気門別川から見える住宅横壁面部分は、なかなか堂々としていて風格があります。建物は平屋部分の壁面に玄関を設置し、簡単な庇部分を付けています。玄関部分の左側には勝手口が設けられています。
この建物の玄関右横には、後付けと思われる付属部分があります。建物の全体壁面は木造、下見板張りですが、この付属部分は粗いモルタル仕上げ。縦に長い3連窓も瀟洒な雰囲気で、ここだけ洋風の造りとなっています。内部は見ていませんが、おそらく洋間(応接間)で、後年になって接続されたのではないでしょうか。
建物の後ろ側に廻ってみました。こちらの建物は、最初に2階建て部分(母屋)が建ち、そのあとで正面の玄関部分を持つ平屋が建ち、最後に玄関右横の洋間部分が接続したと思われます。
2階建て部分(母屋)は、1階部分は単純な下見板張りであるのに比べ、2階部分はささら子下見板張り(水平の横板(下見板)を羽重ね(少しずつ重ね合わせる方法)にしたパネルを押縁と呼ぶ細長材で取り付けた板張り仕上げ)となっており、特徴が見られます。屋根は入母屋造りで、風格があります。
残念ながら、建築年代がわかりません。昭和初期ごろのものだろうと思われます。
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