旭川市の1条通りに面したこの建物の石積みは、札幌軟石と美唄軟石を混在させた非常に珍しい組み合わせとなっています。元々建っていた石造倉庫を解体して、その構造石材を使ってこの事務所が建てられました。
1階の腰壁部分や玄関周りは、青白っぽい美瑛軟石を使い、それより上部は茶色い札幌軟石を使っています。軟石は採掘場所によって、色の風合いが異なるのですが、この建物はそれを熟知した上で、このように装飾性を持たせて、同一建物に混在させたのでしょうか。極めて稀な方法で、貴重な建物とも言えそうです。興味があります。
2階3階部分は、縦長窓を4つ連続させた造りになっています。縦長窓は太い額縁で囲まれていて、とても重厚感のある仕上げとなっています。
玄関部分と縦長部分にはアルミサッシを使った改修が施されています。こちらの建物は「明治屋」という会社の事務所ですが、この建物の建築は1951年(昭和26年)で、構造は木骨石造。しかし、風格は明治期の建物と言われても遜色がないほどです(2021年10月、現状を確認)。
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