★柿﨑 熙 森の奥底 展
札幌芸術の森美術館、2017年1月28日(土)-3月26日(日)
北海道留萌市生まれの現代美術家・柿﨑熙(1946-)は、韓国の現代作家と交流した「水脈の肖像展」や、北海道の立体作家を組織した「北海道立体表現展」の中心メンバーとして北海道の現代美術をリードしてきました。
さまざまなジャンルに積極的に挑戦していた柿﨑の転機となったのが、素材としての木(もく)の探求と、趣味のバードウォッチングで出合った自然の造形への関心です。芽吹く葉のやわらかなかたち、カエデ科の樹木の種をつつみこむプロペラ型の翼、その造形の魅力と生命の神秘に惹きつけられたと語る作家は、やがて「林縁から」と題する作品の制作を開始します。カツラの木を彫りだしアクリル絵の具で白く塗った、ふしぎなかたちをしたオブジェは、壁や床にリズミカルに配置されます。種子が風に舞うように配置された「林縁から」シリーズは、力みがなく、軽やかです。その空間の中にたたずむ人は、そこが美術館の展示室であることを一時忘れて、森の奥底に誘いこまれてゆくような感覚を抱くことでしょう。
本展では、初期の平面、立体作品のほか、代表作である「林縁から」を中心に約60点を一堂に展示し、今なお深化を続ける柿﨑芸術に迫ります。
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