(モーリス・ユトリロ 『コタン小路』 1910年、
パリ国立近代美術館収蔵)
★ユトリロとパリを描いた作家たち展
三越札幌店、2011年7月12日(火)-7月25日(月)
今年生誕125周年を迎えるレオナール・フジタ(藤田嗣治、1886-1986)を中心に、ピカソ、シャガール、ミロなど、20世紀を代表する作家の代表作50点あまりを展観。さらに、パリを哀愁豊かに描いたモーリス・ユトリロの貴重な版画作品も30点を特集します。
ユトリロは、エコール・ド・パリの画家のなかでは、珍しくフランス人です。ユトリロは、母親が18歳の時の子どもで、父親がいなかったため、祖母に育てられました。ユトリロが7歳のときに、スペイン人ジャーナリストのミゲル・ウトリリョ(ユトリロ)が彼を認知したのですが、ユトリロは生涯、この法律上の父に会うことはなかったそうです。ユトリロの実父については諸説あり、わかっていない部分が多いとされています。ユトリロは、10代でアルコール中毒になり、治療のため、医師に勧められて絵を描き始めたことは、よく知られているところです。
ユトリロ作品のほとんどは風景画、それも、小路、教会、運河などの身近なパリの風景を描いたものです。ありふれた街の風景を描きながら、その画面は不思議な詩情と静謐さに満ちています。特に、壁などの色に用いられた独特の白が印象的。第2次世界大戦後まで余命を保ちますが、作品は、後に「白の時代」といわれる、アルコールに溺れていた初期のもののほうが、一般に評価が高いそうです。
パリ郊外のサノワ・サンノワにはモーリス・ユトリロ美術館があります。また、モンマルトルにある墓には、現在でも献花が絶えません。
★三越札幌店、美術画廊HP
★「観るだけ美術部員」のブログ、「ユトリロとエコール・ド・パリ展」(大丸札幌店)での紹介ページへのリンク
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