「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[シルクロード]★ (№018)タクラマカン砂漠とオアシス仏教都市 2日目

 

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(「「観るだけ美術部」部長のシルクロードキャラバン(妄想編)」の予定ルート)

 1日目は日本⇨上海⇨ウルムチと移動したので、けっこう疲れたのですが、しっかり寝ることができたので、朝はすっきりと起きることができました。この日はまず、ウルムチ市にある新疆ウイグル自治区博物館に寄ります。部長は大学時代、シルクロード史を専攻したのですが、ここの博物館から出版されていた資料をいちばん使って研究を積みました。懐かしいです。

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新疆ウイグル自治区博物館。有名な「楼蘭のミイラ」が収蔵されています)

 ここに収蔵されているもので、最も貴重でかつ有名なのが「楼蘭のミイラ」です。ヘディン『さまよえる湖』でも有名な楼蘭遺跡で発見されたのが、この「楼蘭のミイラ」でした。

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(ヘディンによって発見された「楼蘭のミイラ」。ほぼ完全な形で発見されました)

 その世紀の大発見でもあった「楼蘭のミイラ」ですが、意外にも簡単に観ることができます。文化財に対する日本と中国の価値観の違いなのでしょうか。日本だと、温度管理から何から、厳重にされているだろうにとも思いました。

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(ガラスケースに収蔵されている「楼蘭のミイラ」。無防備な気もします)

 ウルムチ市には、郊外に「天池」という風光明媚な観光地があるほか、市内にも紅山公園、国際バザールなどがあるのですが、この日は時間もないので先を急ぎます(これらの観光地は、第1弾で廻りました)。次の目的地、トルファンまでは、クルマで3時間の行程です。

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トルファンでは、葡萄も作っている民家でウイグル民族の家庭料理をいただきます)

 3時間の乗車で、 トルファンに到着。トルファンは、部長が大学時代に卒論で、唐代この地域にあった「高昌国」の城郭「高昌故城」を扱ったこともあって、とても興味深い訪問となりました。トルファンは、天山南路(西域北道)と天山北路との分岐点として、古くから交通の要衝として栄えた都市です。漢民族が支配した、前述の「高昌国」や、トルコ系ウイグル人が支配した「西ウイグル王国」など、異文化が共存していました。シルクロードの要衝としても重要な町で、『西遊記』にも登場する火焔山や、高昌故城や交河故城といった遺跡も残っています。

 トルファン周辺は、世界でも有数の低地で(最低地は市内のアイディン湖で、海抜マイナス154m)、火州とも呼ばれるくらい夏は暑いですが、天山山脈からの雪解け水を町に引いているため水が豊富で、葡萄などの農作物も豊富です。ここがシルクロード上の町だということを、一瞬忘れさせてくれました。

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トルファンは水量豊かなオアシス都市で、葡萄の生産も盛ん)

 ようやく、ここで昼食となりました。トルファン郊外でウイグル族の田舎家庭料理をいただきました。「プロフ」と呼ばれるお料理で、現在なじみの深いピラフの原型になったものだと言われています。お腹がペコペコだったので美味しかったです。日本人にも合う味付けかなと思います。ここでは、一般家庭にお邪魔するかたちだったので、住んでいらっしゃるお婆さんと楽しいお話ができて、嬉しかったです。日本から来たと言うと、とても喜んでくれました。民族衣装も着させてくれて、楽しいひと時となりました。

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(「プロフ」。ウイグル風ピラフ(羊肉入り)は、日本人にもよく合う味)

 そのあと、交河故城に向かいました。この遺跡は、シルクロード上にある遺跡の中でも、保存状態が極めてよい城郭のひとつです。2つの川を挟んだ台地上に遺跡が残されています。トルファン盆地における交通の要衝でもあり、かつ軍事的にも重要な拠点だったと思われます。

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(交河故城。乾燥地帯にあるため、保存状態がよい)

 この日は、トルファン賓館というホテルに宿泊となりました。このあたりは、蛇口から出る水は飲めませんので、毎日ミネラルウオーターのサービスがあります。夕食後、このトルファン賓館では、宿泊者のためにウイグル族による民族舞踊が観られます。民族舞踊の鑑賞って海外旅行の醍醐味ですよね。大好きです。

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ウイグルぶっかけうどん

 この日は、かなり強行軍でした。夕食は、ウイグル風具だくさんのぶっかけうどんでした。あしたも、かなりの移動があります。しっかり休んで、明日以降に備えます。

あしたはきょうよりもっといい日。