(旧旭沢橋梁。1928年(昭和3年)に建設されたトラスト・ガーダー橋です)
★旧旭沢橋梁 (旧大夕張鉄道)
旧旭沢橋梁(あさひざわきょうりょう)は、夕張市にあるトラスド・ガーダー橋。三菱石炭鉱業大夕張鉄道線の明石町駅 - 千年町駅間にある廃橋です。第1回北海道遺産に選定された「空知の炭鉱関連施設と生活文化」の1つでもあります。
1928年(昭和3年)建設。北部大夕張(鹿島地区)の開発に伴い、南大夕張から鉄道が延長された際に設置された橋梁で、大夕張鉄道線上の構造物としては比較的原型が残っています。プレートガーターをトラスのパネルで補強した「トラスドガーター」という特異な形式が特徴的です。シューパロダム完成時に水没予定となっています。紅葉と橋のコントラストが見事です。
三菱石炭鉱業大夕張鉄道線は、明治時代に大夕張炭鉱の石炭輸送のための専用鉄道として開業し、1921年(昭和4年)に炭鉱の北部開発に伴い路線が延長されました。その後、地方鉄道に改組しましたが、旭沢橋梁はこの延長時に架橋されたものです。橋長70.4mの上路トラス橋で、通常よく目にする下路トラス橋の鉄桁を逆さまにした形に特徴があります。さらにプレートガーターをトラスのパネルで補強した「トラスドガーター」という特異な形式を有しています。このトラスは桁下高を確保する事が難しい為、鉄道橋に用いられる例はあまりないようです。製作は横河橋梁製作所が行い、工期を短縮するために鋼「トレッスル橋」脚を持つトラスド・ガーダー形式を採用し、上弦材の華奢なⅠビームをトラスのパネルが補強しています。
(本来、橋梁の上側に付いているトラスが、この橋梁は下側についています。
この橋を渡った列車の運転手は、深い渓谷を覗き見て恐怖を覚えなかったのでしょうか)
一般的に上にあるはずのトラスが下部に付いているので、視覚的に逆さ絵を見ているようで、どうも落ち着きません。この旭沢橋梁以外にも竜田沢橋梁(6号)や宝沢橋梁(7号)などで、この上路トラスは用いられ、大夕張鉄道の橋梁を特徴付ける存在でした。しかし現存しているのはここだけで、大夕張鉄道の構造物としても数少ない存在です。橋脚が沢の下に消えているのでもわかるとおり、足元は目もくらむような谷底です。
(シューパロダムが完成すると、この橋梁も湖底に沈む運命になっています)
昭和30年代の大夕張ダムや道路建設による埋め立てのため、1973年(昭和48年)の廃線時まで残ったのはこの2本だけですが、それも現在建設中の夕張シューパロダムが完成すると水没する運命にあります。敷地外から外観のみ見学可能。敷地内の見学は所有者等の許可が必要です。(2012.4.現状を確認)
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