「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[講演会]★今井 敦「サンセットトーク 九谷赤絵の極致展」

(九谷赤絵の極致展)

★今井 敦「サンセットトーク 九谷赤絵の極致展」

 苫小牧市美術博物館、2024年8月24日(土)18:00

(WEBサイト→)

www.city.tomakomai.hokkaido.jp

 「九谷赤絵」とは、九谷焼の様式のなかで、赤色と金色の細密描写を特徴とする華やぎのあるものです。赤絵の技法は、中国の宋赤絵を起源とし、江戸時代に日本に伝わりました。九谷焼における赤絵は、江戸前期の古九谷を経て、現在の石川県加賀市に創業した再興九谷の宮本屋窯(1832年(天保3年)-1859年(安政6年))で完成したとされています。宮本屋窯の綿密な文様で絢爛豪華な赤絵作品は、やがて明治期に「ジャパンクタニ」として世界に名をはせた輸出九谷の誕生や発展につながりました。

 宮本屋窯の赤絵は、黒みがかった赤色(通称「血赤」)で文様を細かく描き込んだ「赤絵細描」と、金彩に「赤以外の上絵釉」を用いたことが特徴として挙げられます。また、画題の一部に、中国・明時代の墨の文様集『方氏墨譜』からの着想が見られるなど、陶工の技量と教養が発揮された独自性ある表現が魅力です。とりわけ、主画工の飯田屋八郎右衛門(1801年(享和元年)-1848年(嘉永元年))は赤絵細描に優れた手腕を発揮し、宮本屋窯は、別名「飯田屋窯」とも呼ばれています。

 宮本屋窯の作品は、感性に多くの時間を必要とするため、現存数が非常に少なく、全国的に一堂に展示・紹介される機会はこれまで一度もありませんでした。本展では、石川県九谷焼美術館の協力のもと、貴重な宮本屋窯の画工・飯田屋八郎右衛門の作品を中心に、江戸後期の華やかな「九谷赤絵」の世界をご覧いただきます。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、苫小牧市美術博物館さま(HP)よりお借りしました。

 

はてなブログの「ミュージアム」カテゴリーに参加しております。いつも1クリックありがとうございます。ブログ運営の励みになっています。

あしたはきょうよりもっといい日。