★和洋折衷喫茶ナガヤマレスト(札幌市)
今回紹介するのは、レトロなカフェとして人気の「和洋折衷喫茶ナガヤマレスト」です。北海道指定有形文化財の旧永山武四郎邸と、国登録有形文化財の旧三菱鉱業寮を生かした素敵なカフェで、部長も近くに寄った際にはここでひといき入れることにしています。
旧永山武四郎邸は、明治10年代前半、屯田事務局長時代の永山武四郎が、私邸として札幌市に建てたもの。明治前半期の北海道の和洋折衷上流住宅の好例であり、日本近代住宅史を考える上で高い価値を有しているとされています。1937年(昭和44年)に三菱合資会社が永山邸を買収、1937年(昭和12年)に三菱工業寮部分を増築しました。旧永山武四郎邸と旧三菱工業寮は、明治前半期・昭和期の時代様式をそおれぞれよく表しており、それらが共存している点でも建築学的価値は高いとされています。
旧永山武四郎邸は、三菱合資会社による買収後は、重役専用の宿泊所や、札幌出張員事務所として使われました。重厚かつ簡素な意匠で、和洋折衷住宅成立の模索過程をよく伝えています。
炭鉱経営、金属鉱業などを行っていた三菱鉱業株式会社によって、この旧三菱鉱業寮は1937年(昭和12年)に建築されました。このような民間企業の倶楽部が現存する例は道内には稀で、高い産業・文化史的な価値を有しています。妻面のハーフティンバー(化粧梁)、正面右上の丸窓など、昭和前期もモダンな洋館デザインが見られます。
写真左手奥に見える洋室が応接室です。照明上部のメダリオン(天井中心飾り)には紅葉の柄があしらわれています。手前の和室が表座敷です。洋室と和室が隣り合っているのが特徴的です。右手奥に脇座敷、中央奥に10畳の和室が設けられています。
付け書院などを構えた表座敷。右手に見える縁側からは、四季折々の緑豊かな植栽が眺められます。
いっぽう、旧三菱鉱業寮は1階がカフェ、2階に和室が3室、洋室が1室設置されています。洋室には丸窓が設けられており、明治前半期の建築様式と言われる所以となっています。
見学の最後には、カフェでしめましょう。文化財のなかで、歴史を感じながら、ゆっくりと時間を過ごすのは素敵です。カレーなどの軽食や、コーヒーも美味しいのですが、部長のおススメはアイスフロート。ドリンクに+200円でフロートにしてくれます。見学に少し疲れたときには最高!
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影しました。