「観るだけ美術部」部長のブログ

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あしたはきょうより、きっといい日。

[企画展]★アイヌ語地名と木田金次郎 展

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アイヌ語地名と木田金次郎展)

アイヌ語地名と木田金次郎 展

 木田金次郎美術館、2020年7月3日(金)-11月3日(火・祝)

(WEBサイト→)

www.kidakinjiro.com

 

 木田金次郎(1893年-1962年)は、故郷・岩内を中心に、かつて有島武郎が示唆したとおり、「その地の自然」をじっくりと眺めて描く姿勢を生涯貫いた画家です。そのフィールドは、北海道全体にも及んでおり、北海道各地の風景も描いています。木田が北海道を代表する画家のひとりといわれる由縁でもあります。
  その北海道は、先住民であるアイヌ民族が、生活圏の全てにわたってアイヌ語による地名をつけて暮らしてきた土地です。これらの地名の多くは、漢字で表記されて呼び方が変わってしまったり、ときには地名そのものが失われたりして今日に至っていますが、だからこそ、これらの地名をあらためてたどることが、地名とともにあったアイヌ民族の暮らしや、この北海道の歴史を深くすることにつながります。
 木田の作品の中にも、「茶津」や「ヘロカラウス」、「モイワ」といった、アイヌ語に由来する地名が数多くあります。木田にとってこれらの地名は、じっくりと制作に取り組んだ土地の証でもあります。
 今回の展覧会は、木田金次郎が描いた北海道各地の風景から、その場所にまつわるアイヌ語地名を紐解いてみようという、初めての試みです。アイヌ語地名研究の第一人者である山田秀三(1899年-1992年)の研究資料などから、土地の特徴などを木田の描いた作品からたどります。
  アイヌ語地名は「北海道遺産」にも選定されている、北海道の財産です。
  今年は、岩内町の町制施行120年の節目です。この「岩内」という町名もアイヌ語に由来します。さらに今年は、国立アイヌ民族博物館や民族共生象徴空間〈ウポポイ〉(ともに白老町)が開館する年でもあります。
 アイヌ民族がその土地を表現した地名と、木田がその土地を描いたまなざしを、ともに眺めることで、いま私たちが立つ北海道の成り立ちに、思いを寄せる機会になれば幸いです。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、木田金次郎美術館さま(HP)よりお借りしました。

あしたはきょうよりもっといい日。