名寄市の市街地から車を走らせること10分ちょっと。森を背に畑と草原が広がる、廃線となったJR旧深名線の駅跡地に、新しい駅舎(旅人宿)が誕生しました。列車は来ないものの、さまざまな人がやってくるこの駅舎の名前は、かつてここにあった駅名そのままの「旅人宿&田舎食堂 天塩弥生駅」。近いうちに訪れてみたい旅人宿なのです。
「廃線の駅舎跡に、新築でしかも昭和40年代をイメージした駅舎を建てたのは、日本広しといえども僕だけでしょうね」と笑うのは、元鉄道員で、「天塩弥生駅 首席助役」の肩書きをもつ富岡達彦さん。かつて駅舎のあった土地を市から買い受け、古い木造駅舎を再現。妻の由起子さんとともに、男女別ドミトリー形式の宿とアットホームな食堂を運営しています。
食堂メニューは「テヤの日替わらない定食・鶏の照り焼き」(800円)、名寄からほど近いそばの産地、音威子府(おといねっぷ)の黒いそばと咲来(さっくる)そば2種から選べる「かけそば定食」(800円)など、小鉢つきがうれしい定食スタイルがメイン。富岡さんご夫妻手づくりの料理は、どれもほっとするおいしさです。ちなみにテヤとは、天塩弥生駅の鉄道電報略号だとか。
宿の部屋は、4つのベッドが置かれた男女別のドミトリー形式で、定員10名。グループでの貸し切りも応相談。道産材の木の質感が心地よい部屋には、寝台列車に見立てたこだわりあふれるベッドが!
道北方面へ足を伸ばす旅の拠点になるこの宿のお客さんはさまざまで、バイク・自転車の旅人はもちろん、旧天塩弥生駅を利用していたという年配の方も。料金は、一般客1泊2食付き5500円、1泊夕食のみ4700円、1泊朝食のみ4300円、素泊まり3500円(男女別ドミトリー形式、定員10名)※ストーブ使用日は暖房料200円加算。
コロナウィルスが落ち着いたら、ぜひ行ってみたいと思っているお宿なのです。