「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[企画展]★帰ってきた木田金次郎展

(帰ってきた木田金次郎展)

★帰ってきた木田金次郎展

 木田金次郎美術館、2022年7月1日(金)-11月6日(日)

(WEBサイト→)

www.kidakinjiro.com

 1994年に開館した木田金次郎美術館は、収蔵作品のおよそ半分が、所蔵者からの寄贈・寄託によるものという、全国的に見ても珍しい美術館です。これは、1954年(昭和29年)9月の「岩内大火」により、木田金次郎自身や岩内の友人たちが所蔵してきた作品の多くを焼失したことに端を発しますが、当館の開館準備から現在まで、遺族から寄贈を受けた作品を核にして、開館当時の91点(油彩)が175点と、倍近くまでに充実してまいりました。これらの作品は、作品制作の舞台である岩内に「里帰り」した作品ということができるでしょう。本展では、木田金次郎が亡くなってからもなお、大切に作品を守り続けてきた所蔵者に注目し、作品が岩内に「里帰り」するまでの様々な物語にスポットを当てるものです。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、木田金次郎美術館さま(HP)よりお借りしました。

[公募展]★第96回 道展

(菅原照『ルピナス』)
★第96回 道展
 札幌市民ギャラリー、2021年9月21日(水)ー10月2日(日)
(WEBサイト→)

www.doten.jp

 明治末期から大正時代にかけての北海道の美術の黎明期に、各地に美術を志す青年たちの活動が生まれ、北海道における大きな美術団体結成の気運が高まりました。
 1925年(大正14年)秋、「北海道における美術の向上と普及をはかる」ことを目的とした北海道美術協会が、日本画6名、洋画25名、計31名の創立会員のもとに結成されました。そして同年10月、札幌市中島公園の農業館を会場にして、北海道初の美術公募展となる第1回展が開催されました。これが、現在の「道展」の始まりです。以後、同会は、北海道美術活動の中心となって順調に発展を続け、多くの美術家を輩出し、愛好者を広め、北海道の美術文化の向上に貢献してきました。
 戦後の混乱期は、さまざまな困難に遭遇しましたが、改組・再建に着手し、本展のみならず、全道各市町村への移動展や、新人展を始めとする多くの企画事業を行い、活性化に努めました。以後、内容の充実と、時代に沿った機構の改革を重ね、地域に根ざした東京以北最大の美術公募団体として、発展するに至りました。
 現在、日本画、洋画、水彩、版画、彫刻、工芸の6部門を擁しています。道民から「道展」として親しまれ、新人の登竜門として、また、美術愛好家の鑑賞の場として、芸術の秋を彩ってくれます。
 
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道美術協会公式HPよりお借りしました。

[版画展]★小暮真望 シルクスクリーン版画展

★小暮真望 シルクスクリーン版画展

 札幌三越、2022年9月27日(火)-10月3日(月)

(WEBサイト→)

www.mitsukoshi.mistore.jp

 小暮真望さんは、葉擦れの音が聞こえてきそうな繊細な筆致と躍動感あふれる大胆な構図、そして艶やかに彩る空気感を巧みに表現される版画家です。登山家、深田久弥の随筆に感銘を受けて、作家が独自に選んだ日本百名山シリーズの制作は、版画家としてのライフワークともなりました。小暮真望さんの描く作品には、誰もが心に抱く「ふるさとの風景」があります。失われつつある日本の自然美を、版画を通して知っていただきたいという思いから、日本全国で個展を開催しているそうです。

[特別展]★国宝 法隆寺 聖徳太子1400年御恩忌記念展

(国宝 法隆寺展)

★★国宝 法隆寺 聖徳太子1400年御恩忌記念展

 北海道立近代美術館、2022年9月3日(土)-10月30日(日)

(WEBサイト→)

artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp

event.hokkaido-np.co.jp

 聖徳太子は、推古天皇を補佐して遣隋使派遣、憲法十七条の制定など、様ざまなまつりごとを行い、その多くが日本初とされています。また、聖徳太子は仏教の信仰に篤く、法隆寺四天王寺などを建立し、仏法興隆の道を拓きました。なかでも法隆寺は、世界最古の木造建築物群である現在の西院伽藍をはじめ、7世紀の美術を現在に数多く伝えており、その価値はわが国第一号の世界文化遺産として、世界に広く認められています。

(国宝『天寿国繡帳』(部分)、飛鳥時代、推古30年(622年)ごろ、中宮寺

 聖徳太子の住まいである斑鳩宮に隣接して建立された法隆寺は、古来より人々の信仰を集め、1400年以上にわたり法灯を守り続けてきた太子信仰の寺院です。法隆寺には太子の姿を表現した仏像や絵画、太子が愛用したとされる宝物が伝えられ、まさに太子の遺徳を偲び、太子に祈る寺院であるともいえるでしょう。

(国宝 法隆寺展)

 本展では、法隆寺中宮寺および太子ゆかりの斑鳩の諸寺に伝わる多数の国宝・重要文化財を含む前後期あわせて40件の宝物をご紹介いたします。聖徳太子法隆寺をはじめとする諸寺の魅力を存分に味わうことのできる、またとない機会となるでしょう。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立近代美術館さま(HP)よりお借りしました。

[部室から]★第132回 観るだけ美術部 部会

 「観るだけ美術部」部員の皆さま、また「観るだけ美術部」を応援してくださっている皆さま、いつもありがとうございます。それではこれより、第132回「観るだけ美術部」の部会を始めます。今回も(1)「観るだけ美術部」部長からの連絡・報告、(2)(妄想)懇親会、の2部構成で進めてまいります。よろしくお願いします。

        (昨年の羊蹄山の冠雪の様子。もう、秋ド真ん中です)

(1)「観るだけ美術部」部長の連絡・報告

 9月になりましたね。十五夜も終わり、秋分の日も終わり、いよいよ秋本番となりました。本州はまだまだ残暑が厳しいことと思いますが、北海道は気温も下がりました。数日前までは、冷たい雨が降りました。きょうは秋晴れ。9月24日は、大雪山旭岳の初冠雪観測の平年値。いつもなら、初冠雪の便りが届く頃なんです。11月初旬は、札幌などでも初雪の便りが届く時期。しみじみ・・。

(2年前、家族で大雪山に行きました。これ、部長の後姿です。風が強くて、髪がたいへんなことになっております!)

(2)(妄想)懇親会

 それでは(妄想)懇親会といきましょう。今月から、新入部員さんが来てくれることになりました。しかも、二人も! ですので、今月の(妄想)懇親会は、(妄想)新入部員歓迎会も兼ねています。新入部員さんは、りまさおか部員さま(^^♪と、ジェイド部員さま(^^♪です。のちほど、自己紹介をしてもらいましょう。これまでの部員の皆さまにも、自己紹介をお願いしますね。ちなみに、「観るだけ美術部」部長の自己紹介ですが、そうですね、美術展めぐりが大好きですね。でも大きな展覧会には1年に数か所行けるかなという程度です。旅行、ドライブ、ローカルグルメ、古建築めぐりが好きで、あとプロサッカーチーム、北海道コンサドーレ札幌のサポーターでもあります。大学2年生の息子と奥さんの3人家族(息子はいま、人生初めてのお友だちとの「二人旅」1週間ほどの日程で東北に行っております。あ、お友だちは男の子。彼女はまだいません)。こんなところですかね。「観るだけ美術部」は2010年1月23日より始めていて、部会も毎月1回やっていて今回は第132回なので、次回からは12年目となります。意外と、伝統もあります(笑)。

(秋と言えば、食欲の秋。これは、鮭のちゃんちゃん焼き!)

 さて、今回のテーマは「九州の思い出、行きたい観光地、その他エトセトラ」です。りまさおか部員さま(^^♪も、ジェイド部員さま(^^♪も、九州に拠点があるとのことですので、今回はこのテーマにしました。ちなみに、りまさおか部員さま(^^♪には宮崎支部、ジェイド部員さまには取手支部茨城県)をお願いしております。

別府温泉。北海道の温泉も素晴らしいけど、別府温泉も行ってみたいね)

 部長はこれまで、2回九州に行ったことがあります。1回目は福岡、長崎とハウステンボス、2回目はサッカーの観戦を兼ねて福岡です。どちらもよい思い出があります。じつは今夏、3回目の福岡行きを家族と計画していたのですが、コロナ禍で断念した経緯があります。太宰府天満宮に行って、息子の大学合格お礼参りをする予定でした。長崎は、稲佐山に登って夜景を見ました。綺麗でした。息子は1歳で、まだおしゃぶりをくわえていました。グラバー園とか、大浦天主堂孔子廟、出島跡地などに行って、長崎ちゃんぽんも食べました。ハウステンボスで、チューリーちゃんが寄って来たときに恐ろしかったのか、息子が大泣きしてしまったことは内緒にしておきましょう。次に九州に行くとしたら、太宰府天満宮参詣のリベンジを果たすのと、お城めぐり、温泉めぐりをしたいですね。一人旅なら、九州の美術館博物館も訪問したいです。

(行って泊まってみたいお宿。柳川藩主立花邸御花)

 それでは、部長の横に座ってしまったあなたから、時計回りで順番に自己紹介をお願いします!

mirudakeartclub.hatenablog.com

(おまけ1 室蘭市イタンキ浜。9月25日)

(おまけ2 室蘭市イタンキ浜から見上げた潮見公園。9月25日)

 それでは、9月の部会はここまでにします。10月は、さらに寒くなっているのでしょうね。部長は、秋は感傷的になるので好きじゃないですが、街路樹のナナカマドが真っ赤になる様子とか、美味しい野菜が食べられたりとか、いろんなところで収穫祭があったりとか、それなりに楽しみもありますね。そんなことを励みに、頑張ります。部員の皆さまも、無理をせずにマイペースでやっていきましょう!

(おまけ3 白老町白老ファーム。9月25日)

[建築物]★白鳥ヒュッテ(山小屋、室蘭市)

★白鳥ヒュッテ(山小屋、室蘭市

 室蘭市の背後に鷲別岳、通称「室蘭岳」と呼ばれる山があります。山頂には1等三角点が埋設されており、白鳥湾を挟んで対岸にある測量山とを結ぶ測量線は、開拓初期に重要な測量地点とされました。

 室蘭岳は現在でも手軽なハイキングのコースとして人気です。その登山口から歩いて10分ほどのところにあるのが、紹介する「白鳥ヒュッテ」です。現在の山小屋は2代目ですが、最初に山小屋がこの地に立ったのは1931年(昭和6年)だそうです。当時は山スキーの拠点として使われたようです。

(白鳥ヒュッテ。玄関側(南西側)部分)

 2代目となる現在の建物は、初代の建物が焼失したのをうけて、1949年(昭和24年)日本製鐵(株)輪西製鐵所土木課によって再建されました。設計者は神尾友次郎。構造は木造2階建て、外壁は下見板張りで、内装外壁ともにエゾマツ材が使われています。屋根は矩勾配の半切妻屋根を主屋根とし、鉄板葺き。3方向に4寸勾配の下屋が附属されています。妻面上部にはハーフティンバー様式の化粧材が施されており、瀟洒な雰囲気が感じられます。構成平面はほぼ正方形であり、出入り口から土間を経た東側に管理人室を配置し、主室にはテツゲンのコークスストーブを中央に置き、西側には2段ベッドを2つ備えています。北側には旧管理室を改装した小上りと台所、東側に水処理システムとして活性炭浄化システムとオルガノエキノコックス虫卵除去装置、滅菌処理装置などが備わっています。台所の水や建物北西側にある外部パイプ取水口も、この浄水設備を使っています。

 小屋裏(2階部分)は、建設されて2年後の1951年(昭和26年)、利用者の増加に伴って増設されたもので、主室から梯子で上り、1階ストーブの上部を吹き抜け(金網張り)としています。

(白鳥ヒュッテ。テラス側(南東側)部分)

 白鳥ヒュッテには1949年(昭和24年)から2021年(令和3年)まで管理人が常駐していました。北海道内で管理人が常駐する山小屋はとても少ないので、貴重な存在でした。現在は常駐する管理人は居なくなり、「白鳥ヒュッテ友の会」が建物の維持管理をしています。

 

※なお、こちらの文章は、『室蘭岳 白鳥ヒュッテ物語 北海道の登山史から考える』(2022年)より抜粋構成しました。

[講演会]★(当館学芸員)「クローズアップ・トーク 厚岸国泰寺の200年展」

(『文翁和尚坐像』、1803年(文化元年)、国泰寺)

★(当館学芸員)「クローズアップ・トーク 厚岸国泰寺の200年展」

 北海道立釧路芸術館、2022年9月18日(日)14:00

(WEBサイト→)

www.kushiro-artmu.jp

(厚岸国泰寺の200年 祈りの造形 地域の記憶展)

 釧路市から車でおよそ1時間の距離にある厚岸町。太平洋に面した厚岸湾は、尻羽岬や大黒島に囲まれた天然の良港として、古くから船着き場とされてきました。

 江戸時代、幕府は南下政策を強めるロシアの動向を注視しながら、1804年(文化元年)に3つの寺院を東蝦夷地に建立しました。そのうちのひとつが、厚岸の国泰寺です。「蝦夷三官寺」と呼ばれるこれらの寺院は、2018年に北海道遺産に選定され、その特有の歴史が近年注目を集めています。

 歴代の住職は関東からはるか遠くの厚岸へと、幕府の命令により派遣されてきました。これに伴って、江戸から厚岸へもたらされた仏像、仏画、経典などは、地域の人々の心の拠り所として現在まで大切に伝えられています。

 本展では、江戸時代末期から国泰寺に伝来された初代住職の肖像画や仏涅槃図のほか、住職らが厚岸を目指して歩んだ果てしない道のりを感じられる地図資料などを展示いたします。歴代住職らが書き綴ってきた『日鑑記』や『仏舎利授受之書』などの重要文化財23件も、前後期に分けて展観いたします。国泰寺の200年に及ぶ歩みをご覧いただく、またとない機会です、地域にたくわえられた文化遺産の魅力をご堪能ください。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立釧路芸術館さま(HP)及び、厚岸町海事博物館さま(HP)よりお借りしました。

あしたはきょうよりもっといい日。