北海道大学総合博物館、2011年4月5日(火)-6月5日(日)
鈴木章先生の2010 年ノーベル化学賞受賞を記念し、本館では2ヶ月間の特別展示を開催します。今回の受賞の対象になった鈴木・宮浦クロスカップリングは、鈴木先生がはじめられたホウ素化学は勿論のこと、有機化学、触媒化学、有機金属化学が融合して達成した複合領域であると言えます。科学研究、特に化学は、異分野との交流、境界領域の開発を通じて発展してきました。
今回の鈴木・宮浦クロスカップリングも例外ではありません。当時北海道大学で世界的成果をあげていた天然物化学を中心とする有機化学や、世界初の触媒研究所設立をもたらした堀内壽郎理学部教授(のちに本学学長)に始まる触媒化学などが、研究の土壌として大きな役割を果たしていたと言えます。理学部・工学部にとどまらず、学部の枠を超えた研究交流も盛んでした。また、天然物化学を支える生物分類学や、触媒の原料にもつながる鉱物鉱床学など、札幌農学校からの伝統を持つ自然史科学も、当時から本学の得意分野でした。今回の受賞対象の研究が、単なる「セレンデピティー」ではなく、北大の総合力と鈴木先生のたぐいまれなる努力の結晶であったことを、展示にてご紹介します。
★北海道大学総合博物館HP
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