「観るだけ美術部」部長のブログ

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[建築物]★旧長野商店店舗(石狩市にて移築保存)

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(旧長野商店店舗。1894年(明治27年)の建築。附属する土蔵は1877年(明治10年)ごろ)

★旧長野商店店舗(石狩市にて移築保存)

 石狩市にある石狩市で現存する最古の木骨石造建築物(外観は石造りですが、内部に木の骨組みがあります)。店舗は1894年(明治27年)の建築、附属する石蔵は1877年(明治10年)頃の建築と推定されています。長野商店は、越後(現在の新潟県北蒲原郡聖籠町)出身の長野徳太郎が、1874年(明治7年)に創業した商店で、石狩町の繁栄を現在に伝える数少ない建物です。

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 長野商店は、米・塩、呉服・反物、雑貨のほか、八幡町の酒造場では、清酒、濁酒、焼酎の醸造も行なっていました。明治・大正時代から戦前の石狩町を代表する商家のひとつで、瓦屋根に洋風のアーチ窓をもつ和洋折衷の外観の札幌軟石を使った石造りの店舗と蔵を有していました。1955年(昭和30年)の閉店後、1988年(昭和63年)石狩町に建物が寄贈されています。1994年(平成6年)石狩町の文化財の指定を受けました。

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 当初は親船町7番地にありましたが、道道拡幅のため、2007年(平成19年)に弁天歴史通り沿いの「いしかり砂丘の風資料館」隣接地に移築復原されました。店舗、石蔵あわせて、長さ約81cm・高さ約30cm・厚さ約17cmの札幌軟石が920個あまり使用されています。
 店舗の内部は、明治から大正時代の石狩の商店の様子を再現し、石蔵でには、長野家で使った漆器や新築当時の店舗の瓦、棟札、本町地区のジオラマなどが展示されています。店舗の正面には、小麦粉、ぶどう酒、清酒、槲渋(かしわしぶ)エキスなど、長野商店が取り扱っていた商品の看板を復元。槲渋エキスは、カシワの樹皮からつくるタンニンで、明治から大正にかけて北海道で大量に生産されていました。タンニンは、当時、革をなめすために使われたほか、石狩では漁網を染めることにも使われていました。

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 入場券は隣接の「いしかり砂丘の風資料館」で販売されています。

あしたはきょうよりもっといい日。