「観るだけ美術部」部長のブログ

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[レトロ宿]★室蘭ユースホステル

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(室蘭ユースホステルは、1972年(昭和47年)の建築)
 

(WEBサイト→)
 
 室蘭ユースホステル(むろらんユースホステル)は日本ユースホステル協会に加盟している北海道のユースホステル。 鳴り砂で有名な「イタンキ浜」を見下ろす潮見公園に位置し、ロケーションは抜群です。
 室蘭ユースホステルの設計は、1972年(昭和47年)。支笏湖ユースホステルや美幌ユースホステルなどを設計した、北海道を代表する建築家の田上義也(栃木県生まれ、1899年-1991年)。師匠は「近代建築の三大巨匠」とまで言われ、その作品は「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」として世界遺産にも指定されたフランク・ロイド・ライト(旧帝国ホテルも設計しました)。田上義也はフランク・ロイド・ライトに建築を学んだのち、1923年に北海道に渡り、北国の風土に根差した数多くの建築を手がけました。札幌の街にも札幌北一教会や旧小熊亭(現ろいず珈琲館)など、数々の名建築を残しています。
 
 室蘭ユースホステルは、鳴り砂で有名な「イタンキ浜」を見下ろす潮見公園に建てられています。潮見公園からは、室蘭市の外海から登別に沿った海岸線が見え、海は青く、波は白く、本当に素晴らしい景色です。田上義也は、海の青と緑の丘に、いかに建物をマッチングさせようかと苦心したはず。建物のフォルムが大きな船に見立てられていることからも、その思いは伝わってきます。
 建築構造は鉄筋コンクリート2階建て。田上義也が70歳を過ぎてからの作品ですが、後期作品らしい、洗練されたデザインが印象的です。館内は、ロビー、各居室(宿泊室)、談話室、浴室、研修室などから構成されています。印象的だったのは階段室。踊り場の大きな窓からは、イタンキ浜を眼下に美しく望めます。館内の天井や内壁の一部には、原色の青色や黄色の壁紙が採用され、さわやかな雰囲気。各居室(宿泊室)には2段ベッドが並んでいるのはユースホステルらしいですが、その奥に4畳半または6畳の畳敷きの空間が設置されているのが特徴的です。エアコンやテレビ、無料のWi-Fi、冷蔵庫も完備しているとか。
 建築から50年近くが経ち、館内には痛みの目立つところも多く、手入れの行き届いていないところも正直ありますが、歴史的な建築物に宿泊するという体験そのものを味わってみてはいかがでしょうか。
 
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影したものです。

 
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