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[文学展]★「セキは現代(いま)に何を語るか」展

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★「セキは現代(いま)に何を語るか」展
 三浦綾子記念文学館、2010年6月13日(日)-2010年10月24日(日)

 「作家小林多喜二と、母セキにまつわる逸話の中で、とりわけ心を打つのは、多喜二の実弟三吾が回想した情景だ。多喜二28歳、セキ59歳、1932年(昭和7年)の夏である。▼セキと三吾は、官憲の目を避けて活動していた多喜二と都内の喫茶店で会う。セキは、ゆで卵とバナナを携えていた。「母が、テーブルの下で卵の殻をむいて兄に食べさせようとするのです。兄は喜んで食べました」(「小林多喜二全集」月報4)▼半年後、多喜二は国家に不都合な思想犯として警察に捕まり、命を落とす。遺体にすがるセキの写真が残っている。キリスト者の作家三浦綾子は、その姿に十字架から降ろされたイエスを抱くマリアを重ね合わせ、セキの伝記的小説「母」(1992年刊)を書いた。▼三浦綾子記念文学館(北海道旭川市)で今月13日から10月24日まで、特別展「セキは現代(いま)になにを語るか」が開かれる。大館市釈迦内の生家跡に立つ「セキ生誕地」碑の写真や、三浦の大館取材ノートも展示される。▼訪れる人は、多喜二の明るくて心優しい性格が、セキから受け継いだものであると気付くだろう。同時に、母子の愛を非情にも断ち切ってしまう、政治というものの暴力性も感じ取ることだろう。▼菅直人首相は「最小不幸の社会」を目指すという。何が幸せで何が不幸せかは人それぞれのような気もするが、少なくともセキの不幸には政治がかかわっている。新首相は忘れないでほしい。手に入れた権力は実は恐ろしいものだと。」(『秋田さきがけ新報』「北斗星」欄より抜粋)

三浦綾子記念文学館「セキは現代(いま)に何を語るか」展HP
http://www.hyouten.com/?p=1549
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