(オイヴァ・トイッカ 『ヒタキ 546』、1971年、ヌータヤルヴィ社、フィンランド国立ガラス美術館)
★森と湖の国 フィンランド・デザイン展
北海道立近代美術館、2013年10月1日(火)-11月24日(日)
冬の厳しい寒さと短い日照時間のため、室内で過ごす時間が多いフィンランドの人々にとって、日常の生活空間をいかに居心地よく、やすらぎに満ちたものにできるかは大きな関心事でした。ガラスや陶磁器、家具といった身近な生活用品にも機能性と美しさが求められ、“timeless design product(時代を超えた製品)”をコンセプトに、洗練されたデザインが生み出されてきたのです。こうしたフィンランドのデザインは1930年代にアイノ&アルヴァル・アールト夫妻らによって先鞭をつけられ、カイ・フランク、タピオ・ヴィルッカラ、ティモ・サルパネヴァといったすぐれたデザイナーを輩出した1950年代に国際的な評価を得て現在に至っています。彼らを取り巻く美しい自然と風土は、時に創作のインスピレーションとなり、作品や製品の色となり形となって溶け込んでいきました。フィンランドを代表すルガラスメーカー「イッタラ」が、“LASTING design against throwawayism(使い捨て主義に反する永遠のデザイン)”というメッセージを掲げ、現在も生産を続けているように、その姿勢は常に地球にやさしく、自然とともにあり続けています。
本展は、こうしたフィンランド・デザインの魅力を、18世期後半から現代にいたるガラス作品約150件を中心にご紹介します。森と湖の国のデザインが繰り広げる世界をどうぞお楽しみください。
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