(ティモ・サルパネヴァ 『海 547.01』1992年、ヴェニーニシャ、K.カッコネン)
北海道立近代美術館、2013年10月19日(土) 15:00
冬の厳しい寒さと短い日照時間のため、室内で過ごす時間が多いフィンランドの人々にとって、日常の生活空間をいかに居心地よく、やすらぎに満ちたものにできるかは大きな関心事でした。ガラスや陶磁器、家具といった身近な生活用品にも機能性と美しさが求められ、“timeless design product(時代を超えた製品)”をコンセプトに、洗練されたデザインが生み出されてきたのです。 こうしたフィンランドのデザインは1930年代にアイノ&アルヴァル・アールト夫妻らによって先鞭をつけられ、カイ・フランク、タピオ・ヴィルッカラ、ティモ・サルパネヴァといったすぐれたデザイナーを輩出した1950年代に国際的な評価を得て現在に至っています。 彼らを取り巻く美しい自然と風土は、時に創作のインスピレーションとなり、作品や製品の色となり形となって溶け込んでいきました。フィンランドを代表するガラスメーカー「イッタラ」が、“Lasting design against throwawayism(使い捨て主義に反する永遠のデザイン)”というメッセージを掲げ、現在も生産を続けているように、その姿勢は常に地球にやさしく、自然とともにあり続けています。 本展は、こうしたフィンランド・デザインの魅力を、18世紀後半から現代に至るガラス作品約150件を中心にご紹介するものです。
この展覧会に合わせて、フィンランドの民族楽器「カンテレ」による演奏会を計画しました。北欧の雰囲気を感じながらガラス工芸を鑑賞するのも、贅沢な至福のひと時と言えるでしょう。
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