(WEBサイト→)
「レストラン望羊蹄」は、終戦間もない1946年(昭和21年)、いも畑の向こうに洞爺湖が広がり、刻々移り変わる湖の表情を羊蹄山が引き締めているこの眺めに魅せられて小さな喫茶店が作られました。 山ひだの残雪が光る日だったそうです。 もともとは「望洋亭」という名前でしたが、講演会の帰りに訪れた作家の志賀直哉が「羊蹄山の眺めがよいから、名前を「望羊蹄」にするといい」と話し、店主は早速名前を変えたそうです。つまり、羊蹄山が名付け親だったわけですが、確かに「望羊蹄」からの眺めは抜群でした。 当時は道路を挟んだ湖畔側にホテルもなく、綺麗な羊蹄山が店内から眺められたそうです。
創業が戦後すぐということもあり、店内の調度品はほとんど手作りでした。裏山の白樺を切りはらい、柱と椅子やテーブルを作りました。近くから切ってきたイタドリで天井を張りました。1952年(昭和27年)に店内の改装を行いましたが、開店当時のテーブルや椅子、天井の意匠は、出来る限り残されており、いまも観ることができます。
「望羊蹄」の歴史は、そのまま洞爺湖温泉街の歴史とも言えそうです。店主は、本格的コーヒーと吟味した料理に音楽を添えて、この小さな空間をオアシスにしたい、訪れた方々それぞれの思い出にかかわるものを大切にし、洞爺湖温泉の文化の発信地になりたいと思っているからです。 変わりつづける温泉の町で、伝統を守りながら新しい時代への対応を考えているそうです。「人に思いやり、味に思いやり」をモットーにいつまでも皆さんの望羊蹄でありたいと願いながら・・・・・・・。
部長のおすすめは、ポークチャップ。200gで1,450円。デミグラスソースは「レストラン望羊蹄」特製ソースで、とても美味しいです。お値段が高いという意見もありますが、非日常を味わう意味でもよいかと思います。
mirudakeartclub.hatenablog.com
店内には、志賀直哉が訪れたときの写真を始め、文学者・串田孫一のサイン、西村計雄や小川原脩の油彩画などがさりげなく飾られています。その作品を記事にしたこともあります。よろしければ、ご覧ください。