「観るだけ美術部」部長のブログ

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[建築物]★松前法源寺 山門・陣鐘・本堂

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(画像は、松前法源寺の山門)

 高知では、サクラが満開になったそうです。東京や福岡でもサクラが開花したとか。北海道は、まだ2ヶ月ほどもさきですが、なんだか気がそぞろですね。「北海道古寺巡礼」をシリーズ化していますが、サクラの時期に合わせ、サクラの名所を優先して紹介しています。

松前法源
 曹洞宗大本山総持寺北海道別院。北海道最古の曹洞宗寺院でもあります。1469年(文明元年)夏、若狭の禅僧・随芳(ぜんそうずいほう)が、奥尻島に草庵をひらいたことから始まる古寺。1490年(延徳2年)、奥尻島から、上ノ国に移り、松前法源寺と号しました。松前家(蠣崎家)初期の菩提寺(ぼだいじ)でもありました。1606年(慶長11年)福山館の完成後、上ノ国にあった寺町を、現在の位置に再営、このとき法源寺も移りました。最初の伽藍(がらん)は、1649年(慶安2年)に類焼、残る本堂や庫裏も、戊辰戦争で焼失しましたが、江戸時代中期のものと思われる山門(惣門)と経堂が残りました。

 2003年(平成5年)に国の重要文化財に指定された山門(惣門)は、道内最古の建造物のひとつです。この山門は、四脚門で、本柱と控柱を腰長押(こしなげし)でつなぎ、柱上の頭貫(かしらぬき)、木鼻(きばな)をつけ、組み物は三斗実肘木(みつとさねひじき)を用い、正・背面の頭貫の上に台輪(だいわ)と蟇股(かえるまた)を置き、一軒吹寄垂木で屋根は切妻造の平入、こけら葦(ぶき)。これらの特色から、室町時代の末期の建物と言われていますが、最近の調査では、江戸時代中期の建造と修正されています。しかし、いずれにしても本道としては、最も古い建造物のひとつに変わりはありません。1969年(昭和44年)修理工事を行い、屋根を創建時のこけら葺に葺き替をしました。

 境内に残る陣鐘は、法源寺口伝によれば、松前藩5代慶広が、1593年(文禄2年)、朝鮮出兵のため肥前名護屋にあった豊臣秀吉に謁見した際、拝領したものといわれています。永く福山館隅櫓に備え付けられ、非常事変の報知に用いられていたのですが、法源寺檀家の豪商伊達家を通し、法源寺に寄付されたものだそうです。その後、末寺忍路郡塩谷村(現小樽市)の徳源寺開闢(かいびゃく)の際、同寺に移譲されましたが、1942年(昭和17年)戦時中の金属回収の折に、本寺に還付されました。北海道で、金属回収を免がれた唯一の梵鐘である。この鐘は朝鮮半島で鋳造されたといわれ、龍顔(りゅうず)、撞座(しゆざ)がなく、鐘身に算木の文様を配している特色から、陣鐘であろうといわれています。
 本堂は1876年(明治7年)ごろの建築とされています。境内には、蠣崎波響、史学者松前広長、種痘を我が国に伝えた中川五郎治の墓もあります。

★北海道松前観光奉行HP
http://www.asobube.com/

※なお、このページに掲載した画像は、ブログ運営者がみずから撮影したものです。
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