「観るだけ美術部」部長のブログ

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[講演会]★(当館学芸員)「ガウディの椅子、リートフェルトの椅子、美術の目で見てみると・・」

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(髙橋三太郎 『かでるホールのベンチKAMUI』、1991年)

★(当館学芸員)「ガウディの椅子、リートフェルトの椅子、美術の目で見てみると・・」
 北海道立近代美術館、2015年11月7日(土)11月28日(土) 14:00

 このギャラリートークは、開催されている「髙橋三太郎展」に合わせて企画されたものです。
 高橋三太郎は、札幌を拠点に1980年代から目覚ましい活動を展開してきた木工家です。1949年、名古屋に生まれ、北海道大学で建築を学ぶために来札。1971年、学業の途中で世界放浪の旅へ出て、シベリア経由でヨーロッパ、イスラエルアメリカへと巡りました。旅が3年を超えた頃、メキシコ滞在中に「木をやろう」と決意し帰国。ほぼ独学で木工の道へ進み、1982年に自らの工房を設立しました。
 高橋三太郎の目指すことのひとつが、「DECENT(慎ましやかな、上品な)でWEALTHY(ゆたか)な暮らし」です。こうした考え方の原点は放浪を始めた頃、ノルウェーの小村で質素ながらも心ゆたかに、美しく暮らす人々と出会い深く共感した体験にありました。直線的で簡潔なフォルムから始まり、曲線・曲面を加えて展開してきた高橋三太郎の椅子。それは、シンプルながらもゆたかなライフスタイルをという自らのメッセージを、形にしたものと言えるでしょう。
 手作り家具から始めた高橋三太郎は、1980年代末には公共建築のための椅子デザインへと仕事の幅を拡大しました。それらでは造形としてのモニュメンタリティを持たせることによって、椅子本来の人間的なスケール感を建築の空間に拮抗させようとする意図がうかがわれます。椅子の作家として、自己完結を徹底して排除し、不断の展開と外部との交流によって、現代の消費社会のなかでも揺らぐことのない良質な椅子を世に送り出す。それを北海道においてきわめて自覚的かつ戦略的に行ってきた点で、高橋三太郎は類がない存在と言えるでしょう。
 本展では、代表的なチェア、ベンチ、スツール、そして近年のプロダクトまで焦点を当て、木工家・高橋三太郎の柔軟で力強い思考と創造の軌跡を、展示室空間で一堂に展開します。

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立近代美術館さま(HP)よりお借りしました。

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