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[建築物]★徳久邸(室蘭市)

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(徳久邸。かつての花街だった幕西町に残されています。1936年(昭和11年)の建築)

★徳久邸(室蘭市
 かつて室蘭市の花街でもあった幕西町に残る貴重な住宅建築です。建築は1936年(昭和11年)とされています。木造平屋建て。歴史を感じさせる存在感があります。入母屋造りの優美な屋根が、純和風の佇まいを引き立てているようです。市内の歴史的建築物を描いた『佐久間恭子画集』によると、1948年(昭和23年)の「幕西の大火」のとき、周辺の建物はほとんど焼けてしまいましたが、こちらの徳久邸は、かろうじて残ったそうです。建築当初の外壁は、くぎを1本も使わないと言われる建築法「下見板張り」で造られ、その後、くぎを使って修繕されたようです。武田明純先生(室蘭工大助教、建築史)は、外壁を造った職人の技術が高度で「修繕を任された別の大工が困るほどだったろう」と推測されています。
 書院造の和室には、美しい細工の欄間や、上下に障子が動く「雪見障子」、段違いの「違い棚」があります。この棚の端には、載せたものが落下しないように止める「筆返し」も施されています。家主だった故徳久英一さんの奥さま、英子さんは「『屋根裏などには大きな木材が使われ、貴重な建物ですよ』と昔、大工さんから言われました」と仰っているそうです。(2015年8月、現状を確認)

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影したものです。

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