(ジャン=フランソワ・ミレー 『粥』
1861年、道立近代美術館収蔵)
道立近代美術館、2012年2月3日(金)-3月11日(日)
ヨーロッパ絵画の輝かしい歴史を築いた巨匠たちの多くは、版画にも魅せられ、珠玉の作品をのこしてきました。写真もビデオもなかった時代、油彩画の複製手段として、また本や新聞の挿絵としても用いられた版画は、とりわけ写真が発明された19世紀以降は、複製や報道メディアの役割を完全に脱却し、芸術表現の手段として独自の地位を確立します。
16世紀ルネサンス時代、技巧をきわめた精緻な表現で版画を芸術の域に高めたデューラー。版や紙、インクなど刷りの研究を深め、版表現の新たな地平を開いた17世紀バロック時代のレンブラント。そして世紀末的な幻想に彩られたムンクや奔放な想像力を見せるピカソまで、何世紀にも及ぶ長い歴史のなかで豊かな造形世界が繰り広げられてきました。
本展では、こうした16世紀から20世紀にいたるヨーロッパ美術の巨人たちの版芸術の粋を、道立近代美術館の充実した版画コレクションから精選した作品に加え、ピカソやローランサンなど道内各地の美術館が所蔵する名品によりご紹介します。時代を画する巨匠たちの華麗で多彩な技法、眼を見張るほど独創的な表現をお楽しみください。
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