★左川ちか 黒衣の明星展
北海道立文学館、2023年11月18日(土)-2024年1月21日(日)
(WEBサイト→)
左川ちか(さがわちか)は、1911年(明治44年)北海道余市町生まれ。本別町で幼少期を過ごし、庁立小樽高等女学校(現在の小樽桜陽高等学校)に進学。卒業後は上京し、兄の昇やその友人で同郷の伊藤整らとともに、新しい詩のかたちを求めて翻訳や詩作を始めました。故郷の景色を詩想へと昇華しながら、ジェイムズ・ジョイスやヴァージニア・ウルフなどの翻訳を時代に先駆けて行った左川ちかは、優れた言語感覚と独自の美学によって当時のモダニズム詩壇の最前線に立ちます。その姿を詩人・萩原朔太郎は「最近詩壇に於ける女流詩人の一人者で、明星的地位にあつた人」と称しました。そんな道半ば、左川ちかは24歳の若さで惜しくも病没してしまいます。しかし、その美しい詩と翻訳は、黒色を好んで着たという独自のスタイルと共に、詩を愛する人々の心に強く残り続けました。
本展では、近年再評価の機運が高まる左川ちかの詩の世界を、自筆の原稿や詩人たちと交わした手紙、詩や翻訳を発表した雑誌などを通して、北海道の風土と文芸、モダニズム詩壇の隆盛、翻訳の時代、現代における再生といった視点から探ります。
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立文学館さま(HP)よりお借りしました。