★中村善策と「加賀の北前船主・西谷家」展
市立小樽美術館、2023年10月21日(土)-12月28日(木)
(WEBサイト→)
加賀国(現在の石川県)の北前船主・西谷家は、小樽を拠点に北海道各地で様ざまな事業を展開しました。全盛期の5代目西谷庄八とその子息である西谷正治は、中村善策をはじめ若い芸術家たちのパトロンとして惜しみなく支援し、世に送り出していきました。画家になることを両親から反対された中村善策は、15歳で西谷海運(当時、西谷回漕店)に入社し、勤務のかたわら夜間、小樽洋画研究所で絵画修業に没頭しました。西谷家は中村善策の画壇デビューを全面的に支援し、二科展入選に至るまで、西谷家の別荘で再作に専念させ、その感謝から中村善策は同家婦人たちの肖像画を描き残しています。
このたび、小樽商科大学客員研究員の高野宏康さんにより、西谷家の女性たちの装飾品が、ご遺族、佐野禎子さんのもとに大切に保管されていることがわかりました。佐野禎子さんは、北前船主・5代目西谷庄八・和喜の娘、西谷正子さんの孫に当たります。
本展は、大正時代の中村善策と「北前船主・西谷家」との交流を紹介するもので、1階記念ホールの特別陳列として、兵庫県在住の西谷家ご遺族佐野禎子さんの所蔵品、ならびに小樽の商家で晴れの日を彩った櫛かんざしなど、小樽市総合博物館運河館の女性の装飾具を展示いたします。また、西谷家が支援した芸術家たち中村善策・中野五一らを絵画、彫刻、書簡、写真パネルによりご紹介いたします。
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、市立小樽美術館さま(HP)よりお借りしました。