「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[特別展]★やなせたかし 愛するひと やなせたかしの世界展

f:id:mirudakeartclub:20200527233604j:plain

やなせたかしの世界展)

やなせたかし 愛するひと やなせたかしの世界展

 北海道立函館美術館、2020年6月5日(金)-6月14日(日)

(WEBサイト→)

www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp

 やなせたかし(1919年-2013年)さんは、父母の故郷・高知県香美郡香北町(現・香美市香北町)で少年期を過ごしました。東京高等工芸学校(現・千葉大学工学部)に学び、田辺製薬宣伝部に就職しますが、応召して、中国で終戦を迎えます。復員後、高知新聞社での仕事を経て上京。三越百貨店宣伝部で働くかたわら、小島功を中心とする若手漫画家集団「独立漫画派」に参加。やがて漫画家として独立、詞や絵本、脚本、アニメ映画など、活躍の領域を広げていきます。山梨シルクセンター(現・サンリオ)社長の辻信太郎と意気投合し、同社から詩集『愛する歌』を刊行。さらに、抒情詩と抒情画を紹介する雑誌『詩とメルヘン』を創刊。商業主義と一線を画す内容が支持され、30年にわたって愛されました。同誌から世に出たイラストレーターのひとりが、函館出身の味戸ケイコ(1943年生まれ)です。本展では、『詩とメルヘン』を紹介するコーナーで、味戸ケイコの作品も特集展示します。

 1969年(昭和44年)、雑誌『PHP』で「アンパンマン」が産声をあげます。月刊絵本『キンダーおはなしえほん』や『詩とメルヘン』とその姉妹誌『いちごえほん』での連載などを経て、絵本「アンパンマン」シリーズは爆発的人気をよび、今なお、子どもたちの人気者として愛され続けています。おなかをすかせた人に、自分の顔をあげるヒーロー像には、財布をなくして困っていたやなせが、友達のお母さんからあんパンをもらったというエピソードや、戦争体験が投影されているようです。

 自身を取り巻く世界の中で起こるささやかなできごとに、こころをふるわせ、傷ついてしまう、平凡な人間。そこにそっと寄り添うような、あたたかい愛の言葉やイメージを、やなせたかしさんは一貫して表現してきました。初期の漫画家としての足跡から、抒情の旗印となった『詩とメルヘン』の表紙原画、自らの詩をしたためた書、絵本、そしてアンパンマンをモティーフとする作品群まで、やなせたかしさんの世界をご堪能ください。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立函館美術館さま(HP)よりお借りしました。

あしたはきょうよりもっといい日。