「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[講演会]★(当館学芸員)「見どころ解説 美術をまるごと楽しもう展」

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(横山松三郎『菊』制作年不詳、函館市所蔵(当館寄託))

★(当館学芸員)「見どころ解説 美術をまるごと楽しもう展」

 北海道立函館美術館、2022年1月22日(土)14:00

(WEBサイト→)

artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp

 函館美術館収蔵の作品の中から、油彩画、日本画、版画、書、工芸品などを選りすぐり、美術鑑賞の視点や、作品の楽しみ方について、様ざまな角度からわかりやすく紹介いたします。出展予定作家は、横山松三郎、前田守一ら。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立函館美術館さま(HP)よりお借りしました。

[企画展]★石狩 中嶋商店の引札 展

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(恵比寿さまと大黒さまの引札展(2020-2021年)より)

★石狩 中嶋商店の引札 展

 小樽芸術村・旧三井銀行小樽支店本館、2021年12月25日(土)-2022年1月30日(日)

(WEBサイト→)

www.nitorihd.co.jp

 「引札」は、明治から大正にかけて商店が取引先に配布した広告で、現代の「チラシ」に当たります。中でも正月時期に配られたものは、鮮やかな色彩の図柄で、とても喜ばれました。本展では、石狩中嶋商店から配られていた引札をご紹介いたします。新春のめでたい雰囲気と共にご鑑賞ください。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、小樽芸術村さま(HP)よりお借りしました。

[特別展]★富野由悠季の世界 ガンダム、イデオン、そして今 展

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富野由悠季の世界 ガンダムイデオン、そして今 展)

富野由悠季の世界 ガンダムイデオン、そして今 展

 北海道立近代美術館、2021年11月17日(水)ー2022年1月23日(日)

(WEBサイト→)

artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp

www.hbc.co.jp

www.tomino-exhibition.com

 富野由悠季さんは、1941年小田原市生まれ。1964年に日本大学芸術学部映像学科を卒業し、同年「虫プロ」に入社します。1967年に退社。1972年の「海のトリトン」で監督デビューしました。1976年「無敵超人 ザンボット3」で総監督。1979年からは「機動戦士 ガンダム」のシリーズや、1980年「伝説巨神 イデオン」などを手掛けました。2019年、文化庁長官表彰。

 富野由悠季さんの作品は、ロボットアニメにありがちな勧善懲悪的なストーリーを退けて、シリアスな人間ドラマを描きながら、登場人物やメカのデザイン、声優や音楽の選定、主題歌の作詞、映像作品の小説家など、広範囲に活動しながら自らの描く作品世界に妥協なき態度の結晶とも言えます。「鉄腕アトム」から劇場版「Gのレコンギスタ」まで、55年にわたる仕事を総攬する展示で、富野作品の、そして富野由悠季という人物の比類なさに触れてみてください。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立近代美術館さま(HP)よりお借りしました。

[放送大学]★「排球」が「バレーボール」になるまで

 「観るだけ美術部」部長は今週末、放送大学の単位認定試験にむけてのレポート(答案)を作成していました。作成の途中で、どうも解答がまとまらず、ボツにするつもりのレポートがあったのですが、いつかどこかで使えるかもしれないと思い、備忘録も兼ねて、記事としてここにUPしておくことにしました(このレポートはまだ作成途中であることをお含みおきください)。

 

「「排球」が「バレーボール」になるまで 球技の名称における交代」

 

 球技の名称は、明治時代は野球、蹴球、排球、庭球、籠球、卓球、水球のように「〇球」と訳された。だが現在では、「テニス」「バスケットボール」のように、そのまま外国語を使用することが多い。

 その理由として、佐山一郎氏は、著書『日本サッカー辛航記 愛と憎しみの100年史』(光文社新書)の中で、「蹴球」が「サッカー」と呼ばれるようになった理由として「1948年(昭和23年)に「蹴」の字が当用漢字から外されたのが大きい」と述べている。だが、本当にそうなのだろうか。佐山氏の説によれば、「蹴」球や「籠」球は説明できるが、野球、排球、庭球、卓球、水球は説明がつかないのである。

 そこで本稿では、球技の日本語における汎用性の変更について、そのミッシングリンクを明らかにしてみたい。ここでは、佐山氏の説とは異なる考えを提唱していくことにする。本稿では特に、「排球」「バレーボール」を取り上げて、分析していくことにする。

 筆者は、佐山氏の説(1948年の当用漢字による除外が大きい)ではなく、「日本、または日本代表チームが、国際大会に出場するにあたり、〇球という名称では不都合があったため、国際基準に合わせた」という仮説を立てた。これを、「排球」「バレーボール」を例にして検証していくことにした。

 「排球」という名称を追ってみよう。1927年(昭和2年)に設立された、現在の日本バレーボール協会の前身団体の名称は、「大日本排球協会」であった。その後、この団体は1946年(昭和21年)に「日本排球協会」に発展解消された。1946年の第1回国民体育大会のバレーボール競技について、当時の新聞(朝日新聞、1946年2月3日朝刊)では「國民體育大會排球競技」との記載がある。しかし、翌年1947年(昭和22年)には、これまでの「全日本排球選手権」が、「全日本バレーボール選手権」と名称が改められているのだ。つまり、佐山氏が提唱した当用漢字の改定に遡ること1年前に、「排球」は正式に「バレーボール」に名称変更がされているのだ。これにより、佐山氏の根拠は完全に失う。

 1947年に何があったのかを知ることは難しいが、いくつかの可能性を示しておきたい。「排球」と言うと、かつては9人制バレーボールのことを指していた。特に東アジアでは盛んで、極東排球大会まで開催されている。しかし時代が進むにつれて、国際規格に合致した6人制バレーボールへの移行が国威高揚と相まって叫ばれた。世界大会に出場するために6人制バレーボールに移行していかなければならない過程の中で、9人制バレーボールのイメージが強い「排球」という名称は避けて、6人制バレーボールのイメージが強い「バレーボール」という名称に変えたのではないかと考えた。つまり、「〇球」という名称からの交代は、国際規格、国際大会への出場という契機が存在したという私なりの結論に至ったのである。

 

参考文献

・『国民体育大会五十年のあゆみ』競技記録編、1998年

・『日本バレーボール協会五十年史』日本バレーボール協会編、1982年

 

 本稿の論旨からは若干それるため[注]に記載するにとどめるが、以下の論考については今後も検証していきたい

 1964年の東京オリンピックにおける球技の中で、「〇球」と記載されているのは「卓球」「水球」と、参考競技としての「野球」の3種目である。ここからは筆者の推測の域を出ないが、「卓球」は英語だと「Table Teniss」、「水球」は「Water Polo」である。つまり「卓球」「水球」は、英語読みすると「テニス」「ポロ」と混同されやすいのだ。こうした混同を避けるため、「卓球」「水球」は国際大会でも使用することになったのではないか。

 「野球」であるが、どうして「ベースボール」にならなかったのか。これも推測の域を出ないが、野球の場合、国際的にはマイナーな競技であり、国際大会がそもそも多くはなく国際基準に合わせる必要性が薄かったという側面、日本人における野球の意味合い(単なるスポーツではなく、そこには精神論なども強く関わっている)の側面、野球に限って言うと全体をまとめる団体が作れず意思統一が難しかった側面(全日本野球協会日本野球連盟全日本軟式野球連盟日本学生野球協会日本野球機構など、団体は多く存在する)などが挙げられよう。

 

[特別展]★ディズニー キャッツ&ドッグス展

★ディズニー キャッツ&ドッグス展

 札幌三越、2022年1月2日(日)ー1月23日(日)

(WEBサイト→)

www.mitsukoshi.mistore.jp

 ディズニー映画に登場する「犬と猫」をテーマにしたキャラクターが大集合します!

 ミッキーの相棒「ブルート」ではディズニー初期のギャグ・アニメーションの楽しさを、『わんわん物語』ではレディとトランプのロマンスを、『101匹わんちゃん』ではクルエラの魔の手が迫るスリリングな脱出劇を、そして『おしゃれキャット』ではパリの街並みの美しさと子猫マリーの可愛さをぜひご覧ください。また、ディズニー映画には欠かせないサブキャラクターの中でも、印象深い犬猫キャラクターを紹介する展示も見逃せません。

 本展覧会は、ディズニーすべてのアニメーション作品に関連するあらゆる資料を所蔵し、デジタル化してアーカイブしているアニメーション・リサーチ・ライブラリー(ARL)の全面協力を得て、デジタル化された貴重なアート作品を300点以上展示いたします。

[特別展]★辻井京雲 書の世界展 詩歌と戯れて

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(辻井京雲 書の世界展)

★辻井京雲 書の世界展 詩歌と戯れて

 北海道立文学館、2022年1月8日(土)ー1月16日(日)

(WEBサイト→)

www.h-bungaku.or.jp

 辻井京雲(1944年-2019年)は、北海道教育大学名誉教授でもあり、毎日書道会、創玄書道会、北海道書道展の要職も歴任され、漢字作品、詩文書作品を生涯にわたり数多く発表されました。2019年に逝去されましたが、本展は没後初めての遺作展となります。常に現代の書はどうあるべきかを希求し、新たな表現を模索し続けた辻井京雲の書の世界をご堪能ください。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立文学館さま(HP)よりお借りしました。

[特別展]★羽山雅愉×高野理栄子 2つのピント展

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(羽山雅愉×高野理栄子展)

★羽山雅愉×高野理栄子 2つのピント展

 市立小樽美術館、2021年10月23日(土)ー2022年1月16日(日)

(WEBサイト→)

otarubij-kyoryoku.com

 小樽市にもゆかりの深い羽山雅愉さんと、高野理栄子さんの作品を比較しながら、その美術的視点の違いを浮き彫りにしていく興味深い展覧会です。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、市立小樽美術館さま(HP)よりお借りしました。

あしたはきょうよりもっといい日。