「観るだけ美術部」部長のブログ

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[建築物]★大正寺 本堂(室蘭市)

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(結願所の荘厳な雰囲気が感じられる大正寺。北海道では珍しく貫禄が感じられます)
 
★大正寺 本堂(室蘭市
 室蘭市沢町にある古刹、大正寺(たいしょうじ)。本尊は十一面観音。北海道三十三観音霊場第三十三番札所(結願所。最後の札所)。結願所にふさわしい荘厳な雰囲気があります。札所本尊は十一面観世音菩薩。高野山真言宗の寺院で、本尊は弘法大師
 1904年(明治37年)に京都府舞鶴市出身の1世松尾了山住職が旧千歳町に説教所を開創したのが始まりと伝えられています(当時は「室蘭大師教会」と言いました)。1905年(明治38年)に火災に遭い、現在地の沢町に本堂を再度建築しました。1917年(大正6年)に大正寺と改名しています(1913年の説もある)。現在の正善住職は3代目。本堂は部長も所属する「蘭歴建見会」により、1929年(昭和4年)の建築と推定されました。以降は旧庫裏(昭和8年)、納骨堂(昭和18年)と順次整備され、最近では信徒会館、新庫裏(昭和58年)が建築されたほか、本堂も修復(同年)されています。
 端正な鶴の懸魚(げぎょ)を持つ唐破風が特徴的な銅板造りの本堂は、大きな屋根面が印象的。唐破風棟には3つの経の巻(ぎょうのまき)を持つ獅子口(ししぐち)と呼ばれる胸飾りがあります。向背は、虹梁で繋がれた4本の向背柱で支えられ、さらに大きく湾曲したえび虹梁で本堂母屋と繋がれています。虹梁には唐草と龍の彫刻が施され、木鼻には龍と獅子の彫刻が2体ずつ施されており、非常に装飾性に富んでいます。なお、このえび虹梁は建築当時の図面には見当たらず、さらに向背柱とえび虹梁はコンクリート製であることから、向拝の重みに耐えかねて後に改修されたと思われます。内陣は組物、彫刻が施された梁が渡され、格子天井を支える装飾性が圧倒的です。(2017年1月4日、現状を確認。なお、開削された松尾了山住職の出身地は、当初奈良県と記載しておりましたが、ご指摘をいただき、京都府舞鶴市と改めております)






 


※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影
したものです。






 

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