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[建築物]★クレードル興産株式会社 喜茂別工場(喜茂別町)

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クレードル興産喜茂別工場事務所。おそらく創業当時、1932年(昭和7年)の建物)
 
クレードル興産株式会社喜茂別工場(喜茂別町
 喜茂別町市街地からわき道を留産方面に走ると、羊蹄山側に建っている瀟洒な建物が見つかります。これが、クレードル興産株式会社の喜茂別工場事務所です。建物は木造2階建て。外壁は下見板張り。切妻屋根。妻面を正面に据えています。軒送り部分と縦長窓の窓枠部分は白く塗られ、古めかしい雰囲気のなかでいっそう引き立っています。2階右側の窓枠には星型のデザインがあしらわれています。
 クレードル興産は、アスパラガスなどの缶詰製造で有名な会社。ここ喜茂別町が創業の地です。「クレードル」という社名は、日本におけるホワイトアスパラガス缶詰の生産をはじめとする農村工業揺籃の地、すなわち「発祥の地」であるという農家の思い入れが、「クレードル」というこれを英訳した商標に結実したものだそう。この社名は、1939年より使用されています。クレードルブランドは自然に立ち向かった開拓農民の血と汗の結晶であり、自立の象徴です。
 創業の歴史は1932年(昭和7年)、喜茂別町に始まります。年ごとに変動が激しかった原料価格や納入規格などに悩んだアスパラガス栽培の農民が結集して組合を結成。「農民のための、農民の手による工場」で、ホワイトアスパラガス缶詰の生産を始めたそうです。農民が主体となって、農産物を加工し商品化してきたこの精神が、会社設立後現在に至るまで同社の品質本位の商品づくりや原料調達の基本理念となっています。1964年(昭和39年)までには事業が軌道に乗り、一時は海外にアスパラガス缶詰を輸出。通産大臣からは輸出貢献企業の認定を受けるまでに成長しました。現在では缶詰、冷凍野菜、レトルトパウチの3事業を主軸とする加工製造・販売事業を積極的に展開。農産品に対する専門的な知識を基盤に、高品質の缶詰製造ノウハウを蓄積し、同社のクレードルブランドは、着実に信頼と実績を積み上げてきています。
 このような瀟洒な建物が、こうした地方の町にも残されているというのが、驚きと共に嬉しいことでもあります。町の遺産として、このまま保存されていくことを望みます。(2013年12月、現状を確認)
 
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影したものです。
 
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