「観るだけ美術部」部長のブログ

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[建築物]★絵鞆小学校 円型校舎棟(室蘭市)

イメージ 1
室蘭市立絵鞆小学校の円型校舎棟。道内には3校しか現存していないそうです。
左棟の3階が体育館になっています)
 
★絵鞆小学校 円型校舎棟(室蘭市
室蘭市立絵鞆小学校HP↓
(この校舎の美しさを、ぜひ画像でご覧になってください)
 
 こちらの建物は、室蘭市立絵鞆小学校です。1958年(昭和33年)および、1960年(昭和35年)の建築で、およそ50年を経過しています。本校は統廃合が決まっており、数年後には解体されることが決まっています。
 「現在、絵鞆小学校で使用されている校舎は3棟あります。そのうちの1〜2年生の教室・図書室などに使用されている棟(画像右側)と、職員室・理科室・体育館などに使用されている棟(画像左側)が、特徴的な外観を持つ円型校舎です。北海道内で円型校舎を現役で使用している学校は、本校を含めわずか3校となってしまいました。絵鞆小学校の円型校舎は、1棟が1958年(昭和33年)に、もう1棟が1960年(昭和35年)に建設されました。
 昭和30年代の日本は戦後の復興期にあたり、ベビーブームによる子どもの数の増加や、戦争中の焼失により全国的に学校が不足していました。このことは絵鞆小学校でも例外ではなく、学校の沿革史には1956年(昭和31年)には教室の不足により圧縮授業が行われたり、1957年(昭和32年)には校長室も教室として使われていたという記述があります。
 このような状況の中で、円型校舎の利点をマスメディアを通じてうったえ、日本全国で多くの円型校舎を建造したのが建築家の坂本鹿名夫さんです。絵鞆小学校も坂本さんの設計によるものです。彼の述べた円型校舎の利点は、次のようなものでした。
 ①円型校舎は、四角い校舎に比べて建築面積が小さくなるので、建築材料を節約したり建築総工費を安くおさえることができました。②円という形の性質上、せまい敷地にたくさんの部屋を持った建物を建設することができました。③円型という形は安定しているため、地震や風圧に対して有利な構造です。そのため、地震や台風の発生が多い日本ではこの形が重宝されました。④長い廊下を造る必要がないので、教室同士の行き来がしやすく、また水道の配管や電気の配線なども短くすることができました。⑤各教室が扇型に配置されるので、教壇から教室全体をよく見渡すことができます。⑥円型校舎は四角い校舎に比べて日陰が少なく、多くの日照を確保することができます。⑦円型校舎では、360度どの方向にも窓があるので、風通しがよいです。⑧扇型の各教室では、教室の前後の長さが短く、横の壁に反射した音はまんべんなく奥まで届くので、音がよく聞こえます。⑨扇型の教室では、横の壁面に掲示板や補助黒板・本棚などを置きやすく、自学学習の環境づくりがしやすいです。⑩小中学校の建設費は、年ごとに準備して使う必要がありました。円型校舎は、1年ごとに1棟を作ってその後渡り廊下でつなげるという対応をすることができました。
 円型校舎は、全国では約100棟ほど建設されたとみられています。そのうちのほとんどは、絵鞆小と同じ時期の1953年(昭和28年)から1966年(昭和41年)にかけて建築されました。北海道内では、11の円型校舎が確認されており、そのうちの8つまでもを坂本鹿名夫さんが手がけていました。」(ここまで、絵鞆小学校HPからの抜粋)
 印象的なのは、円型の体育館が3階にあること。屋根組みが美しく、従来の体育館のイメージを見事に壊してくれます。円型棟のらせん階段も非常に美しく、こうした校舎で学んだ子どもたちは自分の母校を愛してやまないことでしょう。トイレにはペチカの跡も見つけることができました。
 
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影したものです。またこの文章は、室蘭市立絵鞆小学校のHPより抜粋させていただきました。
 
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