(旧北海道拓殖銀行小樽支店。2013年再訪することができました)
★ホテルヴィブラント小樽 (旧北海道拓殖銀行小樽支店)
こちらの建物は、初期鉄筋コンクリート造り。北海道における主要な遺構で、小樽経済の絶頂期であった1923年(大正12年)に建てられ、三菱、第一、安田、三井と共に「北のウォール街」の一角を飾っていました。設計者は、矢橋賢吉らと伝えられています。
大蔵省の営繕課に属していた矢橋賢吉らは、銀行に貸事務所を併設させるという野心的試みをしています。外観はすっきりとまとめられていますが、角地に当たる部分に玄関を設け、そこに円柱を施して、瀟洒な印象を与えています。
(これが接客ホール。貫禄ある6本の円柱の右側が、当時の営業カウンターです)
(左側が営業カウンターで、現在カフェが入居しています。右側の床面には日本地図が)
銀行内のホールは、2階まで吹き抜けの空間となっています。営業カウンターに沿って円柱が並んで建っている様子は、重厚な印象を与えます。なお、こちらの銀行では、若かりし頃の小林多喜二も働いていました。彼はカウンター業務もあったそうですから、こちらのカウンターに座って執務をしていたのでしょうね。想像すると楽しくなりますね。
(レトロな雰囲気たっぷりの階段。踊り場にあるガラス地球儀は、
世界を相手にした旧拓銀の心意気を感じさせます)
(シングルルームは狭い印象ですが、雰囲気を差し引けば、十分満足のいく客室だと思います)
部長が泊まったシングルルーム。広さは観ての通り、満足いくものではないですが、それでも歴史的な建物に宿泊したという満足感だけでも気分がよいです。よく見ると、腰壁や足元にも、当時の雰囲気が残っています。レトロな窓枠も素敵でした。
(廊下を始め、階段の踊り場や手摺りなどに、当時の面影を色濃く残しています)
館内の廊下は、この建物の創建当時の雰囲気をよく残していると思います。こうした歴史的な建物を再利用したホテルで宿泊できれば、旅の思い出もよりいっそう素敵なものとなるでしょうね。(2011年11月、現状を確認。2013年9月、再訪して現状を確認)
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影したものです。画像は一部、再訪時に撮影したものを載せています。
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