北海道立近代美術館、2013年3月30日(土)4月13日(土) 14:00
難波田龍起は1905年旭川生まれ。青年時代、詩人にして彫刻家の高村光太郎の薫陶を受けて芸術を志します。戦後まもなく、都市風景や北海道の自然をモチーフに次第に画面の抽象化を強め、1950年代半ばには自律的な線と色彩の構成による抽象絵画に到達しました。その後、作風を変化させながらも一貫して内面的なものの表現を探求し続け、ゆたかな詩心に満ち、人間の生と死をめぐる深い思索が込められた抽象絵画の世界を切り拓いたのです。
本展では、当館所蔵の難波田龍起の全作品(油彩11点、素描5点、版画8点)ならびに最晩年の油彩画1点(法人蔵)を展示して、制作のあゆみをたどりながらその比類ない創造の奥深くに迫ります。合わせて、難波田龍起が活動した昭和戦前期から平成にかけての画家たちによる多彩な抽象絵画を、当館の北海道美術コレクションから紹介し、抽象絵画の魅力を広く探ります。
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