「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[廃線跡]★旧夕張森林鉄道 三弦橋(夕張市)

イメージ 1
(遠景も素晴らしい旧夕張鉄道三弦橋。トラス(三角錐)構造が見事です)
 
★ 旧夕張森林鉄道 第1号橋梁(夕張三弦橋)
 旧夕張森林鉄道三弦橋(さんげんきょう)は、夕張市のシューパロ湖に架かる旧森林鉄道の鉄道橋。正式名称は第1号橋梁(だいいちごうきょうりょう)です。
 1962年(昭和37年)完成の大夕張ダム建設により、それまでの下夕張森林鉄道線夕張岳線の一部が水没することとなり、その移設補償工事として北海道開発局により建設され、1958年(昭和33年)に完成した単線鉄道橋(軌間762mm)。夕張岳線ではこの補償工事で第1号橋梁から第6号橋梁までの6つの橋梁が架設されたのですが、第1号橋梁である三弦橋はシューパロ湖の湖尻を横断するため、その中で最大規模のものでした。
 三弦トラス(Triangular truss、Three chord truss)と呼ばれる、下路トラス橋です。上弦材が1本、下弦材が2本、断面が三角形で、四角錘を連ねた特異な構造です。同構造を採用した理由は、鋼重と建設費用の低減、および周囲の景観を損ねない美しいスタイルをという配慮からと言われています。同形式としては国内唯一の、世界的にも稀有な鉄道橋であるとも言われています。上部構造製作・架設は株式会社東京鐵骨橋梁製作所(現社名・株式会社東京鐵骨橋梁)、下部工は大成建設株式会社の施工によるものでした。
 この特徴的な構造と、鋼重450t、長さ381.80m(最大支間77m、7連)という長大さは、全国の森林鉄道でも他に例がないほどの貴重なもの。秀峰「夕張岳」を配し、人造湖「シューパロ湖」の湖面を低く横切るその美しい外観は、地元の大夕張郵便局(1997年廃局)の風景印にも使用され、地域の象徴的存在でした。しかし、林道の整備が進み木材輸送が森林鉄道からトラック輸送に替わったため、1963年(昭和38年)に夕張岳線が廃止となり、完成からわずか6年間しか供用されなかったそうです。
 現在、大夕張ダムの下流に建設中の夕張シューパロダムが完成すると、橋全体が水没する運命にあります。
 
イメージ 2
(近代化遺産、あるいは産業遺産として、保存されることになってほしい、貴重な橋です)
 
 以前は、大夕張ダム管理事務所横の駐車場より眺望できたのですが、2011年12月にアクセス道路である国道452号が新ルートに付け替えられたことにより、三弦橋が遠ざかってしまったため、一般の目に触れることが難しくなってしまいました。 現在は、大夕張ダム管理事務所へ続く旧ルートは許可された車両のみ通行可能となっています。こちらの画像は、2012年4月に特別に許可をもらって通行、撮影したものです。この美しい三弦橋が、なんとか保存されてほしいと願うばかりです。
 
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影したものです。
 
↓いつも足しげく訪問していただき、ありがとうございます。きょうも1クリック、よろしくお願いします。
にほんブログ村 美術ブログ 絵画へ(文字をクリック)
あしたはきょうよりもっといい日。