★『鉄道唱歌 北海道編』(第2集)
第1集(南の巻)が1906年(明治39年)、第2集(北の巻)が1907年(明治40年)に作られた『鉄道唱歌 北海道編』。作詞は大和田建樹。第2集は第1集を受けて、小樽駅から札幌駅、旭川駅までたどり、そのあと引き戻って室蘭駅までとなっています。
□「観るだけ美術部長」のブログ、「鉄道唱歌 北海道編」(第1集)へのリンク
1. 黒煙天になびかせて 出で行く汽車の窓ちかく
見かえる小樽の港には 集まる船舶 四時(しじ)絶えず
2. 市街は人口八万余 商業漁業 繁盛し
それに続ける手宮町 崖には奇形の文字(もんじ)あり
3. まもなく くぐる 熊碓(くまうす)の トンネル出でて広々と
北には見渡す日本海 末には雲路を浸すらん
4.海水浴と温泉の 銭函 軽川 過ぎ行けば
右には手稲の山高く 左に石狩 原広し
5.琴似の次の札幌は 道庁所在の大都会
農学校に博物館 ビール 製麻(せいま)の会社あり
(北海道開拓の村に復元された、旧札幌停車場)
6. 春は円山官幣社(かんぺいしゃ) 秋は中島遊園地
豊平橋の月の夜 藻岩の山の雪の朝
7. 稲田さかゆる厚別は 野幌山の裾の原
雪間に雁(かり)のおるる日は 猟(かり)する人の行く処
8.石狩川に打ち注ぐ 千歳の川の落ち口に
おかれて賑わう江別町 石狩行の汽船あり
幌内太(ほろないぶと)と幌内と 三炭山のありどころ
ゆけば峰延(みねのぶ)美唄には 兵村ありて地味ゆたか
11.奈井江の次の砂川に おかるる三井の木工場
ここは名高き歌志内 炭山ゆきの別れ道
12. 雪に若葉に紅葉(もみじば)に 風景すぐれし神居古譚(かむいこたん)
ここに地形は狭まりて 上川原野ぞ開けゆく
13. 原野の西に位(くらい)して 師団おかるる旭川
14. 再びもどる室蘭線 栗山由仁の農場を
過ぎれば来る 追分(おいわけ)の 夕張行きの乗換場
15. 時節は秋よ入日さす 夕張川の夕げしき
名所は河端(かわばた)滝の上 また紅葉山 鹿の谷
16. 見つつ分け入る炭山は 北海富源(ふげん)のその一つ
積み出す石炭もろともに 我らも帰るもとの駅
17.早来(はやきた)おりて右行けば 雁(がん)鴨(かも)おおき千歳沼
恵庭(えにわ)樽前(たるまえ)支笏湖も 皆その附近の名所なり
18. 白鳥おるる沼の端 鰯(いわし)のとるる苫小牧
(白老駅に隣接した公園に静態保存されているD51型333号機)
19. 建築材に必要の 石切り出だす登別
山には全国たぐいなき 壮観奇絶のいで湯あり
青森までは海一つ 海胆(うに)は此地の名産ぞ
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