「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[汽車旅]★『鉄道唱歌 北海道編』(第1集)

 皆さんは『鉄道唱歌』をご存知でしょうか。「汽笛一声 新橋を♪」で始まる、明治時代に作られた名曲です。いまでも新橋駅では構内に流れているそうですね。その『鉄道唱歌』に、北海道編があるのを、知っていますか?
 鉄道唱歌 北海道編』は、それまで全曲の作詞を担当した大和田建樹が同じく作詞を担当しています。これまで『鉄道唱歌』に「北海道編」は無いものとされてきましたが、1962年になって発見されました。明治時代の北海道の名所旧跡、風景、産物などが見事に描写しており、当時一流のガイドブック(ガイドミュージック?)とも言えそうです。
 
★『鉄道唱歌 北海道編』(第1集)
第1集(南の巻)が1906年(明治39年)、第2集(北の巻)が1907年(明治40年)に作られたようです。作詞は大和田建樹。第1集はほぼ現在の函館本線をなぞって、函館駅から小樽駅までとなっています。地図帳を横において、明治時代の汽車旅に出かけましょう!

1. 千里の林 万里の野 四面は海に囲まれて
わが帝国の無人庫(むじんこ)と 世に名ざさるる北海道
 
2. 四月に雪の消えしより 夏まで春の花さきて
わが帝国の楽園と 人に呼ばるる北海道
 
3. いざひとめぐり見て来んと 津軽海峡 後にして
巴の形に漕ぎ入れば ここぞ渡島(おしま)の函館港
 
4.出船入船ひまもなく 商業貿易北海の
関門占めたる土地ぞとは 知らるる市街の賑わしさ
 
5. 是より乗り込む汽車の窓 見かえる臥牛の山消えて
緑 はてなき牧場も 秋は桔梗の花ざかり
 
6.人参植えて杉植えて 百年近くの昔より
開墾せられし七飯村 農産よそにはすぐれたり
 
7. 馬車の便ある本郷の 十四里(じゅうしり)西に江差あり
岩内 寿都と 諸共に 北海屈指の良き港
 
8. トンネル出でてながめれば 周回八里の大沼に
裳裾(もすそ)をかけて そびえたつ 渡島の富士も面白や
 
9. 森に出づれば旅人の 眠気もさめる噴火湾
晴れたる日には薄青く 有珠の高嶺(たかね)も 仄(ほの)見えて
 
10. 海辺づたいに早いつか 過ぎる胆振の国境(くにざかい)
八雲に続く国縫は 満俺(マンガン)鉱山所在の地
 
11.鰯(いわし)鰈(かれい)に 法貴(ほっき)貝 海産多き長万部
南部陣屋の跡すぎて はや後志の黒松内
 
12. 尻別川の水の声 聞きつつ上がる岸づたい
岩おもしろく山深く 若葉紅葉のながめあり
 
13. 紅葉の如き赤心を 桜の如く香らして
阿部の比羅夫(ひらふ)の忠勇を 記念に残す比羅夫駅
 
14. 仰ぐ雲間に雪しろく つもるは蝦夷富士 羊蹄山
登れ人々陸奥湾も 一目に見ゆる高嶺まで
 
15. 裾野は倶知安大原野 オンコ 椴松(トドマツ) 楢(ナラ) 桂(カツラ)
林は天を打ち掩い 面積ほとんど三十里
 
イメージ 1
(こちらの画像は、SLみなと室蘭140周年号。当時は、のんびりと走っていたのでしょうね)
 
16. ここを開きて 耕して 作りし村は年々に
栄えて朝夕立ちまさる 煙あまねく民ゆたか
 
17. されど秋すぎ冬の来て 北風雪の吹く時は
汽車行く道さえ埋(うず)もれて 寒さに泣くは この附近
 
18. 鉱山名たかき然別(しかりべつ) 林檎の実る余市
夕風さむく秋ふけて 紅(くれない)ならぬ枝もなし
 
19.蘭島(らんしま)塩谷の海辺には 楽しき海士(あま)の里見えて
鰊(にしん)あみ引く春の日の 賑わい言葉につくされず
 
20. 土地の話を耳に聞き かわる景色を目に見つつ
慰(なぐさ)むほどに呼ぶ声を 聞けば小樽か早ここは
 
 いかがでしたでしょうか。第2集では、小樽駅から札幌駅、旭川駅まで進んだあと、来た道を戻って室蘭駅までやって来ます。
 文語体で格調高く、いまでも名曲と呼ぶにふさわしい唱歌だと思います。
 
□「観るだけ美術部長」のブログ、「鉄道唱歌 北海道編」(第2集)へのリンク
 
※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、ブログ運営者がみずから撮影したものです。
 
↓いつも足しげく訪問していただき、ありがとうございます。きょうも1クリック、よろしくお願いします。
¤ˤۤó\֥�¼ Èþ½ѥ֥� ³¡¯²è¤Ø(ʸ»ú¤򥯥ê\å¯)
あしたはきょうよりもっといい日。