★アプサラ・ダンス
カンボジアが誇るクメール文化の結晶。9世紀に生まれたこの宮廷舞踊は、アンコール遺跡のレリーフにも多く登場するモチーフです。アンコール王国が15世紀、シャム(タイ)王国に滅ぼされたときに、宮廷舞踊団もタイに連れ去られ、アユタヤ朝の娯楽となりました。それが、のちにカンボジアに逆流し、現在に到っているそうです。よく観ると、カンボジアのアプサラ・ダンスと、タイの民族舞踊は、似て非なるもの、ということに気がつきます。カンボジアのアプサラ・ダンスのほうが優雅でゆっくりとし、反対にタイの民族舞踊は動きが速く思われます。
踊り子は、かつては王室古典舞踊学院で養成されていたそうですが、ポル・ポト政権時代に、300人を超す先生や生徒が処刑されたそうです。振り付けが記載された書物も、このときにほとんどが消失されたそうです。しかし、アプサラ・ダンスは、難を逃れた数人の先生によって、息を吹き返します。1989年からは、伝統舞踊の復活を目指して、子どもたちに伝承され始めたと言われています。現在では、若手の台頭が著しいそうです。
アプサラ・ダンスのさまざまな演目は、古代インドの叙事詩、『ラーマーヤナ』が基になっています。踊りの中で、頭や腕、脚の微妙な位置や、手や指のねじれ具合、広げ方、そのすべてに意味があります。これらが魂の言葉として、感情を表現しているのだそうです。アプサラ・ダンスは現在、いろいろなレストランやホテルで観ることができます。
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