観るだけ美術部長は2023年3月26日(日)-29日(水)にかけて、青森県弘前市、黒石市に旅行に出かけました。弘前城も観てきたので、その報告をしていきます。前回は天守を紹介したので、この記事では追手門を紹介します。
弘前城の表玄関に当たるのが、この三の丸追手門です。弘前藩4代藩主であった津軽信政の代であった1665年(寛文5年)に、参勤交代経路が碇ヶ関街道に変更されたため、それに伴い、以後この城門が「大手(正面)の門」とされました。建築は築城当初(1611年、慶長16年)にまで遡ると考えられています。築城当初は10門の城門があったとされていますが、いまはそのうち5門が現存しています。
三の丸追手門は、城内に現存する他の4つの城門と同様、2層の櫓門造りになっています。当初は木瓦葺きでしたが、のちに銅瓦葺きになっています。全体的に簡素で武骨な素木造りで、1層目をより高く造っているなどの面から、戦国時代の古い様式を現在に残すものとしてとても貴重とされています。また、明和3年の大地震によって大きな被害を受けたことから、この城門は2層内部に、支柱・筋違・捨て梁を入れて補強されているのも特徴です。
周囲の濠や土塁もよく保存されており、藩政時代の趣きが感じられる一帯でもあります。また、濠沿いにはサクラの木も植えられており、ちょうどいまの時期にはピンク色のサクラが一面を彩ります。4月中旬から10月ごろまでは弘前名物の、いわゆる「チリンチリンアイス」の屋台が出るのもこのあたり。さくら祭りをはじめ、弘前公園を散策するのには、やはりこの門からというのがおススメです。