「観るだけ美術部」部長のブログ

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あしたはきょうより、きっといい日。

[シルクロード]★(№033)新疆-キルギス-カザフスタン-ウズベキスタン 3日目

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(「「観るだけ美術部」部長のシルクロードキャラバン(妄想編)」の予定ルート)

 この日は早朝にホテルを出て、カシュガルからキルギス国境のトルガルト峠を目指します。ところで、かつて「キルギスタン」と呼ばれたこの国ですが、現在では「キルギス」と呼ぶのが一般的らしいです。

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カシュガルから、トルガルト峠を目指します)

 さて、この(妄想)シルクロードキャラバンですが、第1部、第2部、そしてこの第3部は、ほぼ玄奘三蔵のたどった道と重なります。玄奘三蔵は『西遊記』に出てくる三蔵法師のモデルとなったことでも有名ですね。玄奘三蔵は、唐朝の国境でもあった玉門関を越え(法を犯して許可なく出国)ます。第2部で通ったタリム盆地のオアシス都市をたどり、ついに第3部で天山山脈を越えます。

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(トルガルト峠に向かいます。窓の外は荒涼とした風景が続きます)

 玄奘三蔵の旅は、同行者に死者も出るような、過酷な旅だったようです。玄奘三蔵が越えたと推定されているペダル峠は、現在通行不可のため、その西方にあるトルガルト峠(3,752m)を越えていきます。ここも長い冬のあいだは雪に閉ざされる厳しい場所です。

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(トルガルト峠に近づいてきました。標高は3,500mを超えています)

 カシュガルを出て3時間あまりで、トルガルト峠付近にまでやって来ました。このあたりも、荒涼とした山岳地帯です。国境付近は、特に警備が厳しく、かなりの緊張感が漂っていました。ガイドさんの表情も、いつもにも増して厳しくなっていました。検問は無事に通過、そのあとイミグネーションで手続きを済ませたあと、国境に進みます。国境の門には昼休みがあるため、それに間に合わないと国境手前で3時間も足止めを喰らうことになります。このようなことを避けるため、ドライバーさんは、かなり急いでくれました。無事、昼休み前に国境を通過でき、ほっとひと安心しました。

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(トルガルト峠。山頂の標識。この付近に国境があるのですが、撮影は禁止)

 トルガルト峠を越え、国境を越えると、みんなほっとした表情をしていました。国境付近のドライブインで食事をとりました。無事にキルギスに入国できて、まずはよかったです。

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(トルガルト峠を下りていきます。心なしか、風景も穏やか)

 ほっとしたのか、キルギスの風景がとても穏やかに感じました。中国側は荒涼とした風景が続いていましたが、こちらは緑も見え、牛ものんびりとしているようでした。

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(トルガルト峠を下ります。どんどん、緑が濃くなっていきます)

 天山山脈を越えると、そこはかつでの西突厥の国です。これまで、タクラマカン砂漠や、天山山脈の厳しさを観てきた自分にとっては、キルギスは気持ちのいい草原の国に見えました。中国側とは風景が一変しました。

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(タシュラバト。このあたりも草原が広がって、気持ちがいい)

 2時間ほどクルマを走らせると、タシュラバトというところに着きました。ほっとしたのか、うたた寝をしていました。このタシュラバトは、15世紀ころのシルクロード交易の拠点跡らしいです。隊商宿(キャラバンサライ)の跡とも、キリスト教修道院の跡とも、仏教遺跡だとも、盗賊の根城だとも言われていますが、詳しいことはわからないそうです。

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(タシュラバトの周りは牛や馬が放牧されていて、気持ちが落ち着きます)

 タシュラバトで、少し休憩したあと、またクルマを走らせます。しばらくは、草原以外何もない道路を走ります。これが気持ちいい。この国は美しい雪山の国であると同時に、騎馬民族の国であることを実感しました。クルマは3時間ほどで、きょうの宿泊地であるナリンに到着。ナリンは標高2,370m。

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(ナリンのユルタ。お風呂は無いけど、シャワーがあって感激!)

 ナリンでは、ユルタ(パオや、ゲルのようなテント。でも立派)に宿泊しました。ユルタはテントですけど、そうは思えないくらい、しっかりとした造りになっています。お風呂は無いけど、シャワーがあって、嬉しかったです。ゆっくり寝られそうです。

あしたはきょうよりもっといい日。