「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[建築物][町カフェ]★FUKUYOSHI Cafe(旧北島製粉所)

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(FUKUYOSHI Cafe。1925年(大正14年)の建築)

★FUKUYOSHI Cafe(旧北島製粉所)

 常盤公園近くのロータリーから旭橋に抜ける幹線道路沿いに、こちらの建物があります。北島松五郎が1925年(大正14年)に建てた製粉所です。

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(妻面には「北」の屋号が現在でもはっきり確認できます)

 建物は木造2階建て。両妻側壁が軟石積みで、「北」の屋号が浮き彫りになって現存しています。この側壁を平側面に迫り出させて「卯建(うだつ。延焼防止の防火壁。「うだつがあがらない」も参照)」とし、1、2階とも「卯建(うだつ)」上部の先端には柱頭飾りが見られます。これはギリシャ神殿建築にも多いドリス式オーダー(柱と梁の組み合わせのこと)と呼ばれるもの。この石造のオーダーは、古典主義様式の銀行建築以外では珍しく、ましてや一般商店に設けられているのは稀な例ですが、母屋との違和感もなく、貴重な意匠だと思われます。

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(「卯建(うだつ)」上部のドリス式オーダーにご注目ください)

 切妻屋根と差掛屋根、横長の窓には竪繁格子という様式で、「卯建(うだつ)」も含め、全体的に和洋折衷様式の町屋建築と言え、北海道では貴重な建物。戦後は倉庫や生花店を経て、最近まで和菓子店として使用されました。2009年(平成21年)に廃業してからは使用されず老朽化していましたが、部長が来訪したときにはカフェとして再生されていました。

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(店内は、コーヒーでも飲みながらゆっくりできそうな雰囲気でした)

 内部は太い柱を天井に渡して堂々としていました。やや天井が低い印象でしたが、カフェとしてはむしろそのほうが、隠れ家のような雰囲気があって居心地がよいかも、と思いました。

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(「観るだけ美術部」部長も、ここでちょっと休憩しました)

 部長は2021年10月、「山下清展」に行ったとき、ついでに旭川市の古建築めぐりをした際に訪問しました。画像は、歩き疲れて、ちょっとお疲れ気味の部長。アイスクリームもおススメだったようですが、カフェ・オレを注文しました。

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(典型的な町屋建築ですが、これが旭川市に現存していることに意義があると思います)

 「FUKUYOSHI Cafe」さんのリンクを貼っておきます。旭川市訪問の際には、ぜひお立ち寄りくださいね。

ebisuke.co.jp

slowbiyori.com

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(建物内部から竪繁格子越しに街の様子を眺めるのも素敵)

 こちらの名物「トキワ焼き」食べたかったな。こんど行ったら、絶対に食べたい!

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、「観るだけ美術部」部長がみずから撮影したものです。

あしたはきょうよりもっといい日。