「観るだけ美術部」部長のブログ

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あしたはきょうより、きっといい日。

[シルクロード]★河西回廊 西安とシルクロード石窟寺院 6日目 (008)

 

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(「観るだけ美術部」部長のシルクロードキャラバン(妄想編)の予定ルート)

 この日は蘭州市を抜けて、武威、張掖に向かいます。黄河ともここでお別れになります。武威市は、かつて「金の張掖、銀の武威」とまで言われ、明代までは河西回廊の中でもたいへん栄えた重要な町でした。現在は、比較的田舎の風情が残る静かな街道の町となっています。

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(「文廟」。孔子を祀る廟で、いわば孔子廟です。)

 マイクロバスに乗り3時間ほど、ようやく武威市に到着しました。まずは、町の中心街にある「文廟」を詣でます。ここは孔子を祀る廟で、ここ武威市に限らず全国各地にあります。孔子廟ですね。武威市の文廟は、明代1439年の創建で、孔子廟としてだけでなく、儒教を学ぶ儒学院、及び宝物庫・博物館、という機能もあるそうです。

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(「西夏碑」。現在では完全に消滅してしまった「西夏文字」で書かれています)

 「文廟」の裏にあるのが「武威西夏博物館」です。ここには、仏教の経典や、西夏時代の文物が展示されています。西夏は、元朝によって滅ぼされた王朝ですが、それにもまして重要なことは、この王朝が独自の文字を持っていたということです。こちらの博物館にある「西夏碑」は、表面に西夏文字、裏面に漢字が刻まれています。裏面表面とも同内容のことが書かれています。イギリス大英博物館収蔵のロゼッタストーンと同様です。現在では、西夏文字は完全に消滅してしまった言語なので、その存在証明と解読に多大な貢献をしました。

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(羅什塔。「鳩摩羅什」は「クーマラジーヴァ」というインド人僧侶でした)

  玄奘三蔵と並んで、シルクロード史に燦然と輝く人物が「鳩摩羅什」です。武威市の旧市街地北部には、その「鳩摩羅什」にゆかりの寺院があり、記念の仏塔が建っています。現在のものは、1927年の大地震で倒壊したのち、復元されたものです。

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(山丹県の万里長城跡。明代に増改築された部分が遺されています)

 昼食を取ったあとは、マイクロバスで武威市を抜けて、張掖市に向かいます。武威市を出てから3時間ほどして、山丹県というところに着きました。ここには、明代の長城跡が比較的よい状態で保存されています。

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鎮遠楼。張掖市のシンボルともいえる存在。)

 長い乗車のあと、ようやく張掖市に到着しました。ホテルに着いた後、ちょっと周辺を散策しました。「鎮遠楼」という建物がありました。シルクロード上の町の遺構といった感じです。このあたりは小さい町なので、かつてのイメージ通りの街並みが残っています。

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(張掖の夜店に寄りました。「揚げドーナツ」をおやつに散策です)

 散策の途中で、夜店が並ぶ通りを歩きました。屋台だけでなく、食堂なども軒数が多いです。写真の「揚げドーナツ」は、2個で3元(60円くらい)。食堂では10元もあれば、お腹いっぱいになります。

あしたはきょうよりもっといい日。