「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[特別展]★神田日勝 大地への筆致 展

 神田日勝 大地への筆致 展

 北海道立近代美術館、2020年9月19日(土)-11月8日(日)

(WEBサイト→)

kandanissho2020.jp

 北の大地で農民として生きながら、絵を描くことに短い命を燃やした孤高の画家、神田日勝。彼の遺した作品は、いまなおその輝きを失わず、多くの人の心をとらえています。2020年は、神田日勝が32年の短い生涯を閉じてからちょうど50年。その没後50年を記念して開催される本展は、本格的な回顧展としてはじつに42年ぶりのものであり、東京・鹿追・札幌の3会場に巡回します。

 本展では、神田日勝の代表作を網羅すると共に、最新の研究成果を盛り込みながら、彼が影響を受けた同時代作家の作品も展示します。地方の農村にいながらにして、同時代美術に鋭敏に反応していた、知られざる神田日勝の魅力についてお伝えします。

f:id:mirudakeartclub:20200719123714j:plain

神田日勝 『馬(絶筆・未完)』、1970年、神田日勝記念美術館)

 NHK連続テレビ小説なつぞら』。同作の登場人物である山田天陽は、画家・神田日勝がモチーフになっていることをご存知でしょうか。
 神田日勝は1937年東京生まれ。1945年に空襲に見舞われ、一家で苦難を乗り越え北海道・十勝に入植しました。神田日勝東京藝術大学に進学した兄の影響で油彩を描き始め、1956年には道内の美術展で《痩馬》が入選。以来、農業を続けながら画家の道を歩むこととなります。 農業と画業の両立は厳しいものでしたが、日勝は次第にその評価を確立していきます。しかし、同時代の抽象表現主義の動向にも反応し、新たな境地に踏み出そうとした矢先の1970年、病気のため32歳の若さでこの世を去ることになります。遺作となった《馬(絶筆・未完)》ではむき出しのベニヤに馬の半身が克明に描かれ、日勝の儚くも力強い生き様を物語っています。

f:id:mirudakeartclub:20201003145200j:plain

神田日勝『室内風景』、1970年、北海道立近代美術館

 「農民画家」と呼ばれることを嫌い、「農民である。画家である」と語っていた日勝。本展では、馬や牛を描いた代表作から、強烈な印象を残す最後の完成作《室内風景》まで多彩な作品が集結しています。

 生きることと、描くこと。それらが一つであった画家、神田日勝の世界を心ゆくまでご堪能ください。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立近代美術館さま(HP)よりお借りしました。

あしたはきょうよりもっといい日。