「観るだけ美術部」部長のブログ

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あしたはきょうより、きっといい日。

[レトロ宿]★濁川温泉 新栄館 旧館(森町)

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濁川温泉新栄館。左側が明治期、中央が大正期建築の旧館。右側が昭和期建築の新館)

濁川温泉 新栄館 旧館(森町)

 森町の北西部に位置する濁川を上流へ進むと、深い森で覆われた渓谷が突然関け、豊かな田園風景が広がります。太古の火山噴火により形成されたカルデラである濁川盆地です。ここで温泉か発見されたのは江戸時代のこと。1789年(寛政10年)に奉納された薬師如来像が残っていることからも、その歴史の古さを感じさせます。その後、1807年(文化4年)温泉場の開設を村役人の加賀屋半左衛門 が幕府に願い出たところ、幕府下役の小川喜太郎、間宮林蔵が巡見し、山道の開削を命じました。そして、新たに湯治場を開設したのが濁川温泉の開湯とされ、以来、効能の高い湯治場として今日まで利用されてきました。開湯の地である「元湯神泉館」前には、1963年(昭和38年)に設置された「濁川温泉発祥の地」の記念碑があります。濁川盆地に7つの温泉が点在している濁川温泉には、規模は小さいですが一軒一軒が情緒にあふれる温泉宿となっており、おのおの泉質が異なり、温泉のはしごも楽しみです。

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 濁川温泉「新栄館」は1900年(明治33年)創業。赤い屋根の木造部分は旧館(画像左側は浴場棟)、白い建物は新館。旧館は、明治時代に建てられ、さらに大正時代に増築され(中央部分)どこもかしこも鄙びていて、まるでおばあちゃんの家にでも帰ってきたかのような雰囲気が漂っています。玄関もレトロですが、浴場にいたる廊下も、とても雰囲気があります。窓からの木漏れ日は、とても暖かく感じます。

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 浴場棟には、岩をくり抜いた浴槽が3つ。長い年月濃い温泉が流れ続けたことで、岩の浴槽は、すっかりと析出物で覆われています。秘湯ファンなら号泣するであろう、味のある素敵な浴槽になっています。きっと明治時代から変わっていないであろうレトな雰囲気そのもので、たまらない美しさに惚れ惚れしてしまうかも。

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(新栄館の浴場棟。析出物で地層のようになっています。浴場の屋根はいまにも崩れそう?)

 湯は黄色がかった透明で、ツルツルしたやわらかい浴感、細かい茶色の湯ノ花が浮遊し、表面には油が浮いています。甘い鉄と油臭がたまらなく良い香りです(嫌いな人は、大嫌いでしょうね)。48度の源泉が注がれ、浴槽の温度も結構熱いので、湯量で調節しているそうです。

 秘湯ファンなら、一度は訪れてみたい温泉ですね。日帰り入浴も、宿泊もやっています。

 

あしたはきょうよりもっといい日。