(画像は、「皇帝座像(アウグストゥス)」紀元後1世紀中頃、ナポリ国立考古学博物館所蔵)
★古代ローマ帝国の遺産 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ展
北海道立近代美術館、2010年7月3日(土)-8月22日(日)
紀元前27年から約300年間、現在のイタリアを拠点にヨーロッパのほぼ全域を統治し、「史上最強の国家」と呼ばれた古代ローマ帝国。初代皇帝のアウグストゥスを足がかりに、繁栄の象徴とされる都ローマと、イタリア南部・ベズビオ火山の大噴火(紀元79年)で埋没したポンペイに焦点を当て、その遺産などを紹介していきます。ナポリ国立考古学博物館をはじめ、イタリア有数の美術館のコレクションから、彫刻や壁画、宝飾品などの約110点が出品されます。
高さ2メートルを超える「皇帝座像(アウグストゥス)」など、迫力ある彫像が並ぶほか、ポンペイの遺跡から出土した壁画や噴水、宝飾品なども展示されます。当時のローマの人々の豊かな生活や、アウグストゥスが礎を築いた「パクス・ロマーナ(ローマの平和)」を実感できる展覧会になるでしょう。
ベズビオ火山の北側の街、ソンマベズビアーナにある遺跡での発掘調査の最新の成果も、合わせて紹介されます。また、コンピューターグラフィックス(CG)技術を使って、ポンペイの邸宅や、街並みを再現した映像も上映されます。
300年の長きにわたり、ヨーロッパのほぼ全域で比類なき栄華を誇った古代ローマ帝国。強大な国家統治の夢を抱きつつ、道半ばで倒れた天才政治家ユリウス・カエサルと、その遺志を継いで帝国の礎を築いたオクタヴィアヌス(後の初代ローマ皇帝アウグストゥス)。この二人の治下、都ローマは共和政から帝政へと大きな変貌を遂げます。
帝国の繁栄はその広大な領土に富をもたらし、人々は豊かな生活を謳歌しました。しかし帝国絶頂の西暦79年、南イタリアのヴェスヴィオ火山が噴火し、周辺の街は一瞬にして火山灰や土石流に埋まります。南麓の街ポンペイや、472年の大噴火で埋没した北麓の遺跡ソンマ・ヴェスヴィアーナなど、これら悲劇の舞台は18世紀から今日に至るまで発掘が続けられ、まさにタイムカプセルとしてローマ帝国繁栄の一端を完全な姿で伝えています。
ナポリ国立考古学博物館をはじめとするイタリア各地のコレクションから選りすぐった彫刻、工芸品、壁画などにより、古代ローマ帝国の魅力に迫ります。
★北海道立近代美術館「古代ローマ帝国の遺産 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ展」HP
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