「観るだけ美術部」部長のブログ

「観るだけ美術部」勝手に部長です。入部希望者は、コメント欄にメッセージを残してください。折り返し、勧誘に伺います(笑)。

あしたはきょうより、きっといい日。

[講演会]★(当館学芸員)「見どころ解説 へそまがり日本美術展」

 

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(へそまがり日本美術展)

★(当館学芸員)「見どころ解説 へそまがり日本美術展」

 北海道立近代美術館、2021年7月22日(木・祝)14:30

(WEBサイト→)

artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp

 

 日本で古くから受け継がれてきた「きれい」で「立派」な造形作品の数々は、いまも多くの人の心をとらえ続け、美術史を輝かしく彩っています。その一方、日本美術のふところは広く、決してきれいとは言えないけれども、楽しく心地よい作品や、不格好で不完全だけど心に残る作品も点在しています。それらを生み、受け入れてきたのは「へそまがり」ともいえる感性で、現代においても「ゆるい」「ヘタウマ」な表現になぜか心惹かれてしまうという経験をもつ人は少なくないのではないでしょうか。

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伊藤若冲『福禄寿図』)

 たとえば、破格の構図と筆致で観る者に驚きをあたえる白隠。大胆さと繊細さの合わせ技で常識に揺さぶりをかける仙厓。かつての禅僧たちがあらわした禅画は、禅という別世界に案内する窓となり、いまも私たちの「へそまがりな感性」を強く惹きつけます。

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徳川家光『兎図』)

 ほかにも、お世辞にも上手いとは言えないけれど独創的な絵を描いた徳川3代将軍・家光。突拍子もない造形を生み出す奇想の画家・若冲。近代芸術家として名高くも、じつは「おとぼけ感覚で」で笑いを誘う萬鉄五郎。わざと下手に描いたのか?と思わせる「素朴」な表現に傾倒した三岸好太郎。1980年代に流行した破壊的「ヘタウマ」漫画の蛭子能収など、時にややこしくも面白い感性は、常識を疑い、平凡さを越える力を私たちに与えてくれます。

 中世から現代にいたる「へそまがりな感性」の所産を紹介する本展は、2019年春、東京・府中市美術館で開催されて大きな反響を呼び、巡回を熱望する声が絶えませんでした。初めての巡回先となる本展では、蠣崎波響や片岡球子など北海道ゆかりの作品も加えます。きれいでも立派でもない-けれども、輝かしく、そして悩ましくも素晴らしい作品の数々からは、ありきたりの美術史観とは異なる、日本美術の新たな味わい方、楽しみ方が見えてくるはずです。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立近代美術館さま(HP)よりお借りしました。

[講演会]★田村允英「キース・ヴァン・ドンゲン パリのオランダ人画家」

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(キース・ヴァン・ドンゲン『アガーテ・ヴェゲリフ・グラヴェスタインの肖像』、1909年)

★田村允英「キース・ヴァン・ドンゲン パリのオランダ人画家」

 北海道立近代美術館、2021年7月25日(日)14:00

(WEBサイト→)

artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp

 北海道立近代美術館が収蔵する5,600点あまりのコレクションの中から1点を選び、多角的な研究を通して作品の奥深い魅力をご紹介いたします。今回は、キース・ヴァン・ドンゲン『アガーテ・ヴェゲリフ・グラヴェスタインの肖像』をご紹介いたします。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立近代美術館さま(HP)よりお借りしました。

[油彩画]★笹倉鉄平 画業30周年記念 油彩画展

★笹倉鉄平 画業30周年記念 油彩画展

 大丸札幌店、2021年7月14日(水)ー7月19日(月)

(WEBサイト→)

www.daimaru.co.jp

 

 笹倉鉄平さんは、1954年生まれ。武蔵野美術大学を卒業。優しい光あふれる情景画は、「心やすらぐ」絵として幅広い層で人気を博し、200作以上の版画や画集、DVDが出版されています。本展では、ヨーロッパを中心に、笹倉鉄平さんが得た印象や思いを描いた肉筆原画を展示。あわせて最新作「重ねてきた時間」をはじめ、詩情あふれる版画作品も多数展示、販売いたします。

[部室から]★第118回 観るだけ美術部 部会

 「観るだけ美術部」部員の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。それではこれより、第118回「観るだけ美術部」部会を始めていきます。今回も(1)「観るだけ美術部」部長の連絡・報告、(2)(妄想)懇親会、の2部構成で進めてまいります。どうぞ、よろしくお願いします。

 

(1)「観るだけ美術部」部長の連絡・報告

 北海道も、ようやく夏らしい季節になってきました。暑いのは得意じゃないのですが、暑いなりに汗を流しながら食べるソフトクリームとか、入道雲がもくもく湧いているのを見たりとか、大好きです。北海道の夏は、短くもダイナミックで、スケールも大きくて、爽やかで気持ちよくて、ほんとうに素敵な季節です。青春18きっぷを使っての一人旅や、自転車、クルマでドライブ、はたまた山から山を繋げての縦走登山など、何でもできるいい季節ですね。

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(北海道の夏! 一人旅もよし、ドライブも登山もよし!)

 今年の夏は、コロナ禍の影響もあり、あまり遠出もできなくて、残念な夏になってしまいそうです。オリンピックも、もっと素直に楽しみたかったです。

 

(2)(妄想)懇親会

 それでは気分を変えて、恒例の(妄想)懇親会といきましょう。今回は、新入部員さんが来てくれました。DIT井上部員さま(^^♪です。DIT井上部員さま(^^♪は、恐竜の専門家なのですが、なんと小学生です(!)。じつは、数か月前から入部のお話があったのですが、小学生ということもあり、部長自身が入部をためらっていました。そこで、いったん入部は保留にしてもらって、その人柄なども見させていただきました。DIT井上部員さま(^^♪は、心配していたネットリテラシーなどもしっかりしておりましたので、入部をしてもらうことにしました。ですので、部員の皆さまにおかれましては、そのあたりも含めて、仲よくしていただければと思っております。よろしくお願いします。

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(北海道博物館に展示されているナウマンゾウの全身骨格化石(左)とマンモス(右))

 さて、今回の(妄想)懇親会は、新入部員の歓迎会も兼ねていますので、テーマは「私と恐竜 & この夏、楽しみなこと」にします。恐竜については、部長も門外漢なのですが、北海道博物館に行くと、最初の展示室にナウマンゾウの全身骨格が展示されています。毎度のことながら、この全身骨格の化石はすごいな-といつも見上げています。北海道はこのところ、恐竜の化石の発見が相次いでいますから、きっとDIT井上部員さま(^^♪にとっては楽しいところではないかと思います。あ、DIT井上部員さま(^^♪には、居住場所が特定されるのを避けるため、恐竜化石発掘でも有名なカナダ、アルバータ州支部長になっていただきます。のちほど、自己紹介もお願いしますね。

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(北海道の夏! 開放的で、ダイナミックで、爽やかで、大陸的!)

 あと、この夏に楽しみなことですが・・何かあるかなあ。いつもはこの時期しか行けないような、遠くの美術館などに足を運ぶのを楽しみのひとつにしているのですが、今年はコロナ禍で、そんなこともできません。そこで1泊2日くらいで、北海道のなかなか行けない町に行って、レトロな建築物を探訪してみたいなと思います。白老町にある「ウポポイ(民族共生象徴空間)」にも行ってこようかなと思っています。皆さまは、この夏、どんなことを楽しみにしていますか?

 

 

★「観るだけ美術部」部長(室蘭本部)
★ちゃき部員(札幌支部

https://ku3re5.hatenablog.jp/
★濃霧*濃霧部員(釧路支部
https://ameblo.jp/noumu-noumu/
★うみ部員(函館支部
https://umineko-biyori.com/
★ウナギーヌ・ユーコ部員(東京上野支部
https://happyunagi-yuko.hatenablog.com/
★ryo部員(東京品川支部
https://kuminima.hatenablog.com/
★ぱんだぬき部員(厚木支部)
https://pandanuki.com
★カノン(華音)部員(大阪みなみ支部
http://profile.hatena.ne.jp/kannonsama-love/
★Talking Drum部員(東大阪支部
https://talking-drum.hatenablog.com/
★ジロー部員(伊丹支部
https://surrealsight.hatenablog.com/
★あっちゃんゆいちゃん部員(神戸支部
https://atchanyuichan.hatenablog.com/
★ぴーちゃん部員(福岡支部
https://gracedusoleil252525.hatenablog.com/
★Mr.∅部員(エジプト支部
https://www.phi-math.com/
★ケイコ部員(ドイツ・ミュンヘン支部)
https://kunstkeiko18.hatenablog.jp/

★DIT井上部員(カナダ・アルバータ支部

https://ditinoue.hateblo.jp/

 

 次回の部会は8月ですね。東京五輪は終わり、北海道は短い夏が終わって、秋の気配が漂ってきていることでしょう。皆さま、健康で元気に、楽しい夏になるといいですね!

 

[ガラス]★オールドバカラ展

★オールドバカラ

 大丸札幌店、2021年7月14日(水)ー7月20日(火)

(WEBサイト→)

www.daimaru.co.jp

 1764年の誕生以来、王侯貴族の御用達として愛され、相次いで開催された万国博覧会にて世界中から注目を集めたバカラ。本展では、19世紀末から20世紀初頭にかけて、アール・ヌーヴォー期を中心に制作された職人芸を極めた精緻な作品の数々を展示販売いたします。

[講演会]★金子信久「へそまがり日本美術 禅画から家光まで」

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(へそまがり日本美術展)

★金子信久「へそまがり日本美術 禅画から家光まで」

 北海道立近代美術館、2021年7月17日(土)11:00

(WEBサイト→)

artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp

 

 日本で古くから受け継がれてきた「きれい」で「立派」な造形作品の数々は、いまも多くの人の心をとらえ続け、美術史を輝かしく彩っています。その一方、日本美術のふところは広く、決してきれいとは言えないけれども、楽しく心地よい作品や、不格好で不完全だけど心に残る作品も点在しています。それらを生み、受け入れてきたのは「へそまがり」ともいえる感性で、現代においても「ゆるい」「ヘタウマ」な表現になぜか心惹かれてしまうという経験をもつ人は少なくないのではないでしょうか。

 たとえば、破格の構図と筆致で観る者に驚きをあたえる白隠。大胆さと繊細さの合わせ技で常識に揺さぶりをかける仙厓。かつての禅僧たちがあらわした禅画は、禅という別世界に案内する窓となり、いまも私たちの「へそまがりな感性」を強く惹きつけます。

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徳川家光『兎図』)

 ほかにも、お世辞にも上手いとは言えないけれど独創的な絵を描いた徳川3代将軍・家光。突拍子もない造形を生み出す奇想の画家・若冲。近代芸術家として名高くも、じつは「おとぼけ感覚で」で笑いを誘う萬鉄五郎。わざと下手に描いたのか?と思わせる「素朴」な表現に傾倒した三岸好太郎。1980年代に流行した破壊的「ヘタウマ」漫画の蛭子能収など、時にややこしくも面白い感性は、常識を疑い、平凡さを越える力を私たちに与えてくれます。

 中世から現代にいたる「へそまがりな感性」の所産を紹介する本展は、2019年春、東京・府中市美術館で開催されて大きな反響を呼び、巡回を熱望する声が絶えませんでした。初めての巡回先となる本展では、蠣崎波響や片岡球子など北海道ゆかりの作品も加えます。きれいでも立派でもない-けれども、輝かしく、そして悩ましくも素晴らしい作品の数々からは、ありきたりの美術史観とは異なる、日本美術の新たな味わい方、楽しみ方が見えてくるはずです。

 

※なお、こちらの掲載画像は、当ブログが独自に定めるガイドラインに基づき、北海道立近代美術館さま(HP)よりお借りしました。

[講演会]★水島未記・表渓太「サハリンの湿地・鳥・人」

★水島未記・表渓太「サハリンの湿地・鳥・人」

 北海道博物館、2021年7月18日(日)13:30

(WEBサイト→)

www.hm.pref.hokkaido.lg.jp

 北海道の北隣の島、サハリンには、いまもたくさんの湿地が残されています。サハリンの湿地はハクチョウやカモなどの渡りの重要な中継地です。また、コケモモなどの湿地の植物は、先住民の大切な食料になってきました。実際にサハリンで調査した職員が見聞きしたあれこれをお話いたします。

あしたはきょうよりもっといい日。